2019年12月10日、世界を揺るがす米中対立は新たな局面を迎えています。単なる関税の掛け合いに留まらず、次世代のイノベーションを左右する先端技術の覇権争いへと発展しました。この摩擦は、長年築き上げられた国際的な貿易秩序を足元から揺るがしており、各国の経済活動に深刻な影を落としているのが現状です。
こうした不透明な情勢の中、日本貿易会の中村邦晴会長は強い危機感を表明しました。中村会長は、自由貿易の維持こそが日本の生命線であると説いています。特に現在交渉が進められている東アジア地域包括的経済連携、通称「RCEP(アールセップ)」の早期締結に向け、政府には粘り強い交渉を継続してほしいと熱く訴えかけました。
グローバル供給網の守護神となるか?RCEPが持つ真の意義
RCEPとは、日本や中国、韓国、そしてASEAN諸国などが参加する広域的な経済連携協定を指します。中村会長が「国際的な生産ネットワークの維持が日本経済の要になる」と指摘するように、部品の調達から製品の組み立てまでを国境を越えて行う現代のビジネスモデルにおいて、貿易の壁を取り払うことは死活問題と言えるでしょう。
SNS上では「米中どちらかを選ぶのではなく、独自の経済圏を確立すべきだ」という意見や、「日本企業が海外で円滑に活動するためには、RCEPのような枠組みが不可欠」といった期待の声が目立ちます。地政学的なリスクが高まる2019年末において、この多国間連携は、日本が安定した成長を確保するための強力な防波堤になると期待されます。
編集者としての私見ですが、技術覇権を巡る対立が「デカップリング(経済の切り離し)」を加速させている今こそ、日本の調整力が問われています。特定の二国間に依存しすぎない供給網、いわゆるサプライチェーンの再構築は急務です。自由で開かれた貿易環境を先導することは、資源の乏しい日本が誇るべき生存戦略ではないでしょうか。
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