函館の水道130周年の転換点!日立らとの「民活」で守る美味しい水と未来のインフラ

北海道函館市は、1889年(明治22年)に日本人の設計によるものとしては国内第1号となる近代上水道を整備した、輝かしい歴史を持つ街です。開業から130周年という記念すべき節目を迎えた2019年には、ペットボトル入りの「はこだての水」を配布するなど、多彩な記念事業が展開されました。

函館の水道は、水源林が守られた亀田川などの清らかな水系に支えられており、その質と量は全国でも屈指のレベルを誇ります。しかし、お祝いムードの裏側では、避けては通れない深刻な課題が浮き彫りになっています。それは、全国的な悩みでもある急激な人口減少に伴う水需要の低下です。

1980年には約34万5000人を数えた函館市の人口も、2019年現在は25万人台まで減少しています。年間500万人を超える観光客の皆さんが水を消費してくれるとはいえ、定住人口の減少分を補うには至りません。2026年度には水道料金収入が2018年度比で約18%も減るという、厳しい予測も立てられています。

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日立製作所らと挑む「DBO方式」による水道DXの最前線

こうした苦境を乗り越えるため、函館市が切り札として導入したのが「民間活力」の活用です。2019年には、日立製作所や地元の富岡電気工事など3社が共同で「箱館アクアソリューション」を設立しました。彼らは「DBO方式」という手法で、浄水場の更新や運営を長期間にわたって請け負います。

ここで注目したい「DBO(デザイン・ビルド・オペレート)方式」とは、施設の設計、建設、そして日々の運転管理を一括して民間に委託する手法を指します。行政が資金調達を行いながら、民間の優れた技術や効率的なノウハウを設計段階から運営まで一貫して活用できる点が、最大のメリットと言えるでしょう。

ネット上では「民間に任せて料金や安全は大丈夫?」と心配する声も散見されます。これに対し、2019年の経営懇話会でも、市民から厳格な監視を求める意見が出されました。自治体には、民間企業が適切に業務を遂行しているかを評価・改善する「PDCAサイクル」の徹底した運用が求められています。

私は、この取り組みこそが地方自治体の生き残り戦略だと考えます。インフラ老朽化は待ったなしの状況であり、行政だけで全てを抱え込む時代は終わりました。プロの知見を借り、コストを抑えつつ質を維持する英断は、130年の歴史を次の100年へ繋ぐための、最も現実的で前向きな選択ではないでしょうか。

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