子供たちが毎日を過ごす学び舎の安全性が、着実に向上しているようです。文部科学省が2019年12月27日までに公表した最新の調査結果によると、全国の私立学校における耐震化済みの建物割合は91.4%に達しました。これは前年の同時期と比較して1.1ポイントの増加となっており、震度6強クラスの激しい揺れに見舞われても倒壊する危険性が低い建物が着実に増えていることを示しています。
今回の調査は、全国の私立幼稚園から高校まで、校舎や体育館など合計約2万3000棟を対象に実施されました。この「耐震化」とは、地震の揺れに耐えられるよう構造を補強したり、古い建物を新築に建て替えたりすることを指します。特に自然災害への意識が高まる中で、学校という避難所にもなり得る場所の安全確保は、地域社会にとっても最優先事項であると言えるでしょう。
地域別の状況に目を向けると、自治体ごとの意識の差が鮮明に表れています。耐震化率のトップは徳島県と静岡県の98.7%で、三重県の98.4%、秋田県の97.8%がこれに続く形となりました。南海トラフ地震などの巨大災害が懸念される地域において、対策が先行している印象を受けます。一方で、岡山県の77.0%や青森県の79.9%など、8割に満たない地域も存在しており、全国一律の安全確保にはまだ時間を要するかもしれません。
公立との格差解消が急務!私立学校が抱える財政面の壁
施設の種類別では、さらに興味深い数字が見て取れます。特別支援学校については、2019年4月1日時点で100%という完璧な耐震化を達成しました。小学校は98.2%、中学校は97.4%と高い水準を維持していますが、幼稚園・認定こども園は91.5%、高校は90.1%と、全体平均をやや下回る結果となっています。特に幼い子供たちが集まる施設においては、一刻も早い100%達成が望まれるところです。
ここで注目すべきは、公立学校との進捗の差ではないでしょうか。公立小中学校の耐震化率はすでに99.2%に達しており、ほぼ完了に近い状態です。この背景には、私立学校が耐震補強を行う際の「国庫補助率」、つまり国から出る補助金の割合が公立よりも低いという切実な事情があります。独自に財源を確保しなければならない私立ならではの苦労が、この数ポイントの差に現れていると言わざるを得ません。
SNS上では「学費を払っているのだから安全は当然確保してほしい」という保護者の切実な声や、「地域の避難所としての役割を考えれば、私立への支援も手厚くすべきだ」といった意見が目立っています。編集者の視点としても、経営努力だけに頼るのではなく、子供の命を等しく守るための公的支援の拡充が不可欠だと感じます。文部科学省は計画的な財源確保を呼び掛けていますが、制度面での後押しが今後の鍵を握るでしょう。
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