【2020年ビール業界予測】東京五輪と酒税改正で激変!アサヒのシェア非公表がもたらす「利益重視」への大転換

2020年01月01日、日本の酒類業界はかつてない激動の幕開けを迎えようとしています。今年の夏には世界が注目する東京五輪という最大の需要期が控えている一方で、10月には2026年まで続く段階的な「酒税改正」の第1弾が実施されるからです。長年続いてきた業界の常識が、今まさに根底から覆されようとしています。

そんな中、業界最大手のアサヒビールが驚きの決断を下しました。これまで当たり前のように行われてきた「販売数量」の公表を取りやめると発表したのです。これにより、ビール大手4社のシェア争いや正確な市場規模の算出が不可能になります。長年の「数字の呪縛」から逃れ、質を重視する姿勢へと舵を切ったといえるでしょう。

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首位陥落の危機と「ショック療法」の背景

2019年12月17日、アサヒビールの塩沢賢一社長は説明会の場で、3年連続の減収見通しという厳しい現実を明かしました。さらに2030年以降は市場が急激に縮小するという衝撃的な予測も提示しています。「社内の意識を変えるためのショック療法だ」と語るその言葉からは、危機感の強さがひしひしと伝わってくるようです。

しかし、この決定の背景にはライバルであるキリンビールの猛追も見え隠れします。2019年上半期のシェア推計では、首位アサヒと2位キリンの差はわずか1.5ポイントまで縮まっていました。2020年にも首位が逆転する可能性があった中での「幕引き」に対し、業界内では情報開示の後退を懸念する声も上がっています。

消耗戦の終焉と新たなブランド価値の創造

これまでのビール業界は、一社がヒット作を出せば他社がすぐに類似品をぶつけるという、いわば「過当競争」の歴史でした。アサヒが利益重視へ転換することで、こうした不毛な消耗戦に終止符が打たれるのかが注目されます。SNS上でも「シェアより味で勝負してほしい」「税率が変わる今こそ個性が大事」といった期待の声が寄せられています。

編集者としての私見ですが、このアサヒの決断は、成熟した日本市場において極めて現実的かつ勇気ある選択だと感じます。人口減少が進む中で「量」を追うビジネスモデルは限界を迎えています。これからは、単なる安売りではなく、消費者が「この1杯のために払いたい」と思えるような、高付加価値な商品開発が生き残りの鍵となるに違いありません。

酒税改正(ビール、発泡酒、第3のビールの税率を段階的に一本化する仕組み)という荒波を乗り越え、各社がどのような「次の一手」を繰り出すのでしょうか。数字による順位付けがなくなる2020年は、本当の意味でビールの個性が問われる「多様化の元年」になるはずです。私たち消費者の選択が、これからの業界の姿を形作っていくことでしょう。

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