【サントリー】ビール復権の鍵は「神泡」にあり!酒税改正を追い風に変える山田社長の逆転戦略とは?

2019年もいよいよ終盤。消費増税という大きな荒波を乗り越え、サントリービールが快進撃を続けています。2019年12月13日、山田賢治社長が語った内容によれば、同社のビール系飲料の年間販売量は前年を上回る見込みです。市場全体がマイナス3%という苦境に立たされる中、前年比2%増という数字は驚異的と言えるでしょう。

この躍進を支えた立役者の一つが、2019年2月に登場した「金麦〈ゴールド・ラガー〉」です。赤いラベルが目を引くこの商品は、既存のファンに加え、力強い飲み応えを求める層を虜にしました。SNSでも「第三のビールとは思えない満足感」と話題になり、金麦ブランド全体で年間販売量11%増という圧倒的な支持を集めています。

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ビールの概念を変える「神泡」の衝撃

サントリーの看板商品「ザ・プレミアム・モルツ」も好調です。2019年は前年比2%増の1750万ケースを見込んでおり、その成功の核にあるのが「神泡(かみあわ)」という概念です。これは、ビールの美味しさを決定づけるクリーミーな泡を指す言葉で、専用のサーバーや直営店を通じて、その感動を広める戦略が功を奏しました。

かつて31%だった「神泡」の認知度は、2019年には53%まで急上昇。新幹線や飛行機内での体験提供も、ブランドへの信頼を強固にしました。ビールを「苦いから苦手」と敬遠していた層に対し、泡による口当たりの変化で「旨い」へと意識を変えさせた点は、まさにビール復権への現実的な解答と言えるでしょう。

また、同社は国内4つの全工場において、100%天然水で仕込むという製造へのこだわりを強く発信しました。素材への誠実な姿勢が、SNS上での「サントリーなら安心」というポジティブな評価に繋がっています。こうした地道なファン作りが、増税後の買い控えを最小限に食い止めた要因かもしれません。

2020年、酒税改正という「激動の幕開け」

2020年10月1日には、運命の「酒税改正」が控えています。ここで注目すべきは、これまで安価だった「第三のビール」が増税され、逆に「ビール」が減税されるという市場の変化です。この法改正は、ビール系飲料に課される税額を将来的に一本化するためのステップであり、各メーカーの戦略を大きく左右します。

山田社長は、第三のビールが値上がりすることを逆手に取っています。国産麦芽の使用や、醸造家が手間を惜しまず仕込み温度を3段階で変える製法など、価格に見合う「本物の価値」を訴求する構えです。売り場が淘汰される中で、勝ち残るのは圧倒的なブランド力を持つ「金麦」であると、強い自信をのぞかせています。

一方で、軽減税率の対象となるノンアルコールビールにも熱い視線を注いでいます。健康志向の高まりとともに、清涼飲料水というポジションを確立しつつあるこのカテゴリーは、今後の成長株です。若者のビール離れという課題に対し、同社は「感動を届ける飲み物」としての魅力を再定義し続けていくでしょう。

編集者の視点から見れば、サントリーの戦略は単なる安売りではなく、徹底した「体験価値」の提供にあります。2020年の改正後、私たちの食卓の風景がどう変わるのか。神泡が導くビールの逆襲劇から、今後も目が離せそうにありません。適正な飲酒を楽しみつつ、その進化を期待を持って見守りたいものです。

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