野村総合研究所が豪州で見据える勝機!海外利益率10%達成への「共同利用型」方程式とは?

日本のシステムインテグレーターにとって、海外市場は長らく「鬼門」とされてきました。大手各社が苦戦を強いられる中、野村総合研究所の此本臣吾社長は、オーストラリアを拠点とする海外事業の営業利益率を10%まで引き上げるという野心的な構想を掲げています。

2019年12月16日現在、この目標達成の鍵を握るのは2016年に約300億円で買収した現地子会社のASGグループです。同社は官公庁との取引を確実に広げており、会計検査院のクラウド移行や道路公団の案件など、着実に実績を積み上げています。

SNS上では「国内最強のNRIが海外でどこまで通用するか楽しみ」といった期待の声がある一方で、「海外での利益率10%はハードルが高すぎるのではないか」という慎重な見方も散見されます。現在4〜5%に留まっている利益率を倍増させる戦略に、業界の注目が集まっています。

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金融システムのデファクトスタンダードを豪州へ

此本社長が描くシナリオの一つは、日本で圧倒的なシェアを誇る「共同利用型システム」の豪州展開です。これは複数の企業が同じ基盤を利用する仕組みで、効率性と収益性が極めて高いビジネスモデルを指します。

例えば、同社の証券向けシステム「STAR」は、東京証券取引所における売買高の約半分を支えるほどの存在感を示しています。この成功モデルをASGの販路を通じて豪州の金融市場へ導入できれば、利益率の劇的な向上も決して夢物語ではないでしょう。

コンサルティングとITを融合させる同社独自のスタイルは、単なる受託開発に終わらない強みがあります。私は、この「日本流の高付加価値サービス」が、保守的な金融機関の多い豪州でどう受け入れられるかが、成否を分ける最大のポイントだと考えています。

割安な豪州市場でのM&A戦略と今後の展望

さらなる成長の柱となるのが、積極的なM&Aです。野村総合研究所は、2023年3月期までに海外売上高を1000億円へと倍増させる計画を立てています。欧米諸国に比べて、豪州は先進的なIT企業を比較的「手ごろな価格」で買収できる点が魅力です。

ここで指標となるのが「EBITDA倍率」です。これは買収価格が年間のキャッシュフローの何倍にあたるかを示すもので、欧米が20倍を超える中、豪州は10〜15倍程度に収まります。つまり、投資した資金をより早く回収できる、効率の良い投資が可能になるのです。

自社の経営コンサルタントが買収先の経営改革に深く切り込むことで、組織そのものを筋肉質に変貌させる。この徹底した「現場介入型」の統合プロセスこそが、他社には真似できない野村総合研究所の真骨頂といえるでしょう。

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