日本製紙連合会が発表した2019年10月の統計によると、紙と板紙を合わせた国内出荷量は203万2000トンにとどまり、前年の同じ時期と比べて7.5%の減少を記録しました。これでマイナス成長は3カ月連続となり、業界全体に厳しい空気が漂っています。
この落ち込みの背景には、複数の要因が絡み合っているようです。まず大きな影響を与えたのが、10月からの消費増税に伴う「駆け込み需要」の反動です。増税前にまとめ買いが集中した反動で、市場の動きが鈍化してしまったのでしょう。
特に出荷が振るわなかったのは、私たちの生活に身近なティッシュペーパーやトイレットペーパーといった「衛生用紙」です。加えて、オフィスで欠かせないPPC用紙、いわゆるコピー用紙も、事前の買い溜めによる影響を強く受けたと考えられます。
また、板紙と呼ばれる段ボールの原材料(段ボール原紙)の出荷も大きく落ち込みました。これは同月を襲った台風の影響で、物流網が寸断されたり、工場や配送拠点がダメージを受けたりしたことが、数字を押し下げる直接的な要因となった模様です。
SNS上では「増税前にトイレットペーパーを買いすぎた」という声や、「台風で荷物が届かない」といった投稿が目立っていました。こうした消費者のリアルな行動や災害による混乱が、統計データとして如実に表れた形と言えるでしょう。
編集者としての視点では、デジタル化が進む現代においても、紙の需要がこれほどまでに景気や天候に左右される点に注目しています。生活必需品であるからこそ、社会情勢の「鏡」として真っ先に数字に反映される面白さと、危うさを感じます。
今後は、この反動による冷え込みがいつまで続くのか、そして年末の繁忙期に向けてどこまで回復の兆しを見せるのかが大きな焦点です。安定した供給体制の維持を含め、製紙業界の粘り強い対応に期待したいところですね。
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