【マツダの心臓部】ヨシワ工業が25億円を投じ次世代工場へ!豪雨を乗り越えブレーキ部品の生産革新に挑む

広島県海田町に拠点を置き、マツダの車造りを支える重要なパートナーであるヨシワ工業が、25億円という巨額の投資を行い、本社工場の建て替えに踏み切りました。2019年10月には延べ床面積1万平方メートルを超える2階建ての新社屋が既に完成しており、2021年3月の全面稼働に向けた準備が着々と進んでいます。このプロジェクトは、単なる設備の更新ではなく、生産効率を1割も向上させる野心的な挑戦と言えるでしょう。

新工場が主力として製造するのは、車の安全に直結する「ディスクローター」です。これは車輪と共に回転する円盤状の部品で、ブレーキパッドで挟み込むことで摩擦を生み出し、車を安全に停止させる役割を担っています。SNS上でも「地元の名門企業が災害を乗り越えて進化するのは心強い」といった、地域経済の活性化や企業のレジリエンス(復元力)に対するポジティブな声が多く寄せられています。

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西日本豪雨の教訓を活かした「災害に強い」モノづくり

今回の新設にあたって特筆すべきは、徹底した防災対策です。2018年7月の西日本豪雨では、旧工場が床上浸水の被害に見舞われました。幸いにも操業停止は免れましたが、一歩間違えれば精密機械が全滅しかねない危機的な状況だったといいます。その教訓から、新工場の1階部分は地面から1メートルも「かさ上げ」して設計されました。水害リスクを最小限に抑える姿勢からは、供給責任を果たすプロ意識が伝わってきます。

技術面でも大きな飛躍を遂げています。従来の16ラインを12ラインへと集約しつつ、最新鋭の加工機を導入することで、これまで以上に高い生産性を実現しました。特にディスクローターは、高速回転中にブレが生じないよう、360度どこを切り取っても均一な重さになるまで精密に削り出す必要があります。新型機はこの精度を保ちつつ、マツダが2023年3月期に投入を予定している「ラージ」クラスの大型車にも対応できる拡張性を備えました。

さらに、効率化は工場内の工程設計にも及びます。従来は外部の協力会社に委託していた塗装工程を、同じ建物内に招き入れることで「インライン化」を実現しました。これにより、部品を輸送するためのコストや時間を劇的に削減しています。また、平屋から2階建てに集約することで生まれた余剰スペースは、トラックヤードとして活用するなど、資産を無駄なく収益に変える工夫も施されています。

EV時代の到来でも揺るがない「物理ブレーキ」の重要性

ヨシワ工業は、マツダが国内で製造するほぼ全ての車種に部品を供給しており、トヨタの「レクサス」にも採用されるほどの実力派です。自動車メーカーと直接取引を行う「ティア1」企業として、その技術力は業界内で高く評価されています。2019年3月期には売上高151億円を記録しており、地域経済を牽引するフロントランナーとしての立ち位置を不動のものにしています。

昨今の自動車業界では、電気自動車(EV)へのシフトに伴い、電子制御による減速が注目されています。しかし、吉野正弘社長は「万が一の事態を考えれば、物理的に車を止めるシステムの信頼性は決して揺るがない」と力強く断言しています。私自身の見解としても、いかにテクノロジーが進歩しても、人命を守る最後の砦はアナログで物理的な機構に帰結するはずです。この揺るぎない信念こそが、同社の持続的な成長を支える源泉となるでしょう。

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