【IGRいわて銀河鉄道】2020年3月期は赤字見通しへ。修繕費の増大と台風19号の影響が直撃した地域鉄道の現状

岩手県の大切な足として親しまれている「IGRいわて銀河鉄道」から、2019年12月26日に衝撃的な経営見通しが発表されました。2020年3月期の単独業績において、最終的な損益が7581万円の赤字に転落する見込みであることが明らかになったのです。2期ぶりの赤字決算という厳しい現実に、地元住民や鉄道ファンからは驚きの声が上がっています。

前年度の黒字を支えていたのは、実は土地の売却という一時的な利益でした。しかし2019年度はそのような特別な収入がない一方で、長年使い続けてきた線路や車両といった鉄道設備の「老朽化」への対応が急務となっています。安全な運行を維持するために不可欠な修繕費や設備の更新費用が膨らみ、経営を強く圧迫しているのが現状といえるでしょう。

さらに追い打ちをかけたのが、2019年10月に列島を襲った「台風19号」の存在です。この災害の影響で貨物列車の運休が相次ぎ、同社の大切な収入源である「線路使用料」が大幅に減少してしまいました。線路使用料とは、JR貨物などの他社が線路を借りる際に支払う手数料のことですが、この減収により営業収入は計画していた45億9600万円には届かない見通しです。

SNS上では「銀河鉄道は岩手の宝だから頑張ってほしい」「修繕費がかさむのは安全第一の証拠だけど、経営は大変そうだ」といった、応援と懸念が入り混じった投稿が目立ちます。人件費や業務費を削るなどのコストカットを懸命に続けてはいるものの、営業費用は前期から約9700万円も増加しており、1億2064万円という多額の営業赤字が見込まれています。

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地域インフラを守るための試練と、編集者の視点

経常損益においても1億1652万円の赤字が見込まれるなど、数字だけを見れば非常に厳しい状況に置かれています。しかし、私はこの赤字を単なる「失敗」と捉えるべきではないと考えます。鉄道という公共インフラにおいて、目先の利益を優先して安全投資を怠ることは、将来的に取り返しのつかない事故を招く恐れがあるからです。

人口減少が進む地域において、第三セクター鉄道が黒字を維持し続けることは並大抵の努力では不可能です。IGRいわて銀河鉄道が直面している課題は、日本の地方鉄道全体が抱える共通の悩みでもあります。今回の赤字は、安全を守るための「必要な投資」の結果である側面が強く、私たち利用者も改めて鉄道の価値を再認識すべき時期に来ているのではないでしょうか。

今後は鉄道ファン向けの企画や駅周辺の活性化など、従来の運輸収入に頼らない新しいビジネスモデルの構築が期待されます。2020年3月2019年12月27日現在の視点で見れば、まずはこの苦境を乗り越え、いかにして岩手の移動を支え続けていくかが焦点となるでしょう。地域一体となってこの「銀河の足」を支える仕組みづくりを願ってやみません。

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