地球に優しい投資として近年、世界中で大きな注目を集めている「環境債(グリーンボンド)」をご存じでしょうか。これは、調達した資金の使い道を環境保護や温暖化対策といった分野に限定して発行される特別な債券のことです。日本の首都である東京都は、2020年度におけるこの「東京グリーンボンド」の発行総額を、前年度より100億円も上乗せして年間300億円規模に拡大する方針を固めました。環境への取り組みをさらに加速させたい都の狙いと、投資家の熱い視線が合致した格好です。
今回の増額を決定した小池百合子都知事は、2020年度予算案の査定が進む中でこの先進的な方針を明らかにしました。具体的な内訳を見ていくと、一般の私たちが購入できる個人向けが100億円、そして銀行や保険会社といったプロの投資家である「機関投資家」向けが200億円となっています。まさにこの機関投資家を対象とした枠が100億円増枠された形であり、市場からの期待の高さがうかがえるでしょう。SNS上でも「自治体が率先してエコな投資枠を広げるのは素晴らしい」と絶賛する声が相次いでいます。
実は、東京都は2017年度に国内の自治体として初めて環境債を発行したパイオニアです。それ以来、機関投資家からの人気はすさまじく、応募倍率は当初の4.1倍から直近では6.9倍にまで跳ね上がっていました。ネット上では「買いたくても買えないほどの人気ぶりだったのか」と、その加熱ぶりに驚くコメントも溢れています。多くの資金を預かるプロたちが、単に利益を追求するだけでなく、環境負荷の低減に貢献できる投資先をいかに渇望していたかが証明されたと言えます。
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未来を守る資金の使い道と都の財政事情
では、集まった莫大な資金はどのように使われるのでしょうか。今回の増額分は、近年の異常気象による豪雨から街を守るための下水道整備や、市街地の浸水対策へと新しく充当される予定です。さらに、都が保有するさまざまな施設に対して、太陽光や風力といった「再生可能エネルギー」の導入をより一層拡充していく方針も示されています。これらは、私たちが安全かつ快適に暮らしていくために、一刻も早く進めるべき極めて重要なプロジェクトばかりであると私は確信しています。
一方で、東京都の2020年度一般会計予算案は、総額7兆3000億円台の半ばとなる見通しを迎えています。これは過去最高を記録した2019年度に次ぐ巨大な予算規模ですが、全体としては3年ぶりの減少に転じることとなりました。その背景には、いよいよ開催を間近に控えた2020年東京オリンピック・パラリンピックの準備作業が、一段落して落ち着きを見せているという特殊な事情が存在します。一大イベントの熱気の裏で、都の財政は次なる持続可能な未来へと着実に舵を切っています。
このように大イベントの予算が落ち着くタイミングだからこそ、環境対策という中長期的な課題に資金を大胆に振り向ける東京都の姿勢は非常に評価できます。気候変動による災害リスクが国内で叫ばれる今、東京グリーンボンドの増額は、都市のレジリエンス(危機の克服力)を高めるための賢明な投資と言えるはずです。民間マネーを巻き込んだエコな都市づくりが、今後どのように結実していくのか目が離せません。
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