函館のイカ不漁で輸入額が過去最高に!食卓の危機を救う世界のイカと地元の挑戦

北海道の海の恵みとしてお馴染みのイカですが、いま深刻な事態に直面しているのをご存知でしょうか。函館税関が2020年1月9日に発表した2019年11月の貿易概況によると、函館港におけるイカの輸入額が16億1400万円に達しました。この数字は比較可能な1979年以降でなんと過去最高を記録しており、前年同月と比べるとなんと15倍という驚異的な伸びを見せているのです。12ヶ月連続で前年を上回る異例のペースで取引が行われています。

この急激な輸入増加の背景には、近年の道南海域における記録的な不漁が関係しています。地元で水揚げされる資源が激減したため、函館の水産加工会社などは死活問題に直面しました。そこで、伝統の味を守りつつ事業を継続するための苦肉の策として、海外からの調達に頼らざるを得ないのが現状です。SNS上でも「最近イカが高くて手が出ない」「函館のイカソーメンがピンチ」といった、食卓への影響を心配する声が多数上がっています。

主な輸入元としては中国が挙げられますが、最近ではロシアからの仕入れも増加傾向にあります。これにより北海道全体のイカ輸入額も24億7300万円まで膨れ上がり、前年同月の5倍にまで急増しました。私たちは安価で美味しい海の幸を当たり前のように享受してきましたが、地球規模の環境変化や海水温の上昇が、北の豊かな漁場に深刻な影を落としている現実に目を向けるべきではないでしょうか。地元の食文化を守る瀬戸際に立たされています。

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北海道全体の貿易にも異変!産業構造の転換がもたらす影響

一方で、北海道全体の貿易バランスを見てみると、少し違った景色が見えてきます。同月の輸出額は前年同月比で31%減の257億5500万円となり、4ヶ月連続でマイナスを記録しました。さらに輸入額も21%減の1082億1400万円にとどまり、こちらは7ヶ月連続の前年割れとなっています。この縮小の背景には、イカの不漁とは全く異なる、北海道のエネルギー産業における大きな構造変化が深く関係しているのです。

具体的には、これまで取引のあった有機化合物や鉱物性タール、粗製薬品の輸出、そしてカタールなどから仕入れていた揮発油の一種であるナフサの輸入が突然ゼロになりました。ナフサとは石油化学製品の基礎となる重要な原料のことです。なぜこれらが消えたかというと、室蘭市にあるJXTGエネルギーの事業所が石油化学製品の製造を終了したためです。拠点が物流機能へと転換され、原料の搬入と製品の出荷がともになくなりました。

お馴染みのグルメを支える漁業の危機と、地域の経済を支える巨大インフラの業態転換が同時に押し寄せています。時代の変化に合わせて産業が形を変えるのは自然なことですが、伝統的な水産業が直面している試練は一刻の猶予もありません。海外産への依存度が高まる今だからこそ、国内の漁業資源をどのように保護し、函館ブランドのイカを守り抜いていくのか、国や地域が一体となった持続可能な仕組みづくりが求められています。

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