皆さんは大手通販サイトで家電を選ぶ際、何を基準に決めていますか。例えば、性能も価格も似通った2つの掃除機があり、片方は口コミが800件を超え、もう一方はわずか12件だったとします。多くの方は、迷わず件数の多い方へ手が伸びるのではないでしょうか。
実は、こうした「投稿数が多いから安心だ」という直感的な判断には、思わぬ落とし穴が潜んでいます。立命館大学の菊盛真衣准教授は、これを「e口コミの数の罠」と呼び、警鐘を鳴らしています。私たちは無意識のうちに、数字の多さを商品の質に直結させて考えてしまいがちです。
映画の興行成績も左右する「認知」と「同調」のメカニズム
研究データによると、投稿件数が多いほど消費者の購買意欲は刺激され、実際の売り上げも増加することが明らかになっています。分かりやすい例が映画業界です。公開直後に口コミが飛び交うほど、翌週以降の注目度も右肩上がりになり、結果として興行成績を押し上げる要因となります。
これは、話題になることで商品を知る人が増える「認知度の向上」が大きく影響しているためでしょう。また、人間には「多くの人が選んでいるものなら間違いない」と周囲に合わせる「同調傾向」という心理が備わっています。これらが複合的に作用し、数の力は増幅されていくのです。
「これだけ人気なら、買って後悔しないはずだ」と自分を納得させる心理状態は、誰にでも経験があるはずです。逆に投稿が少ないと、たとえ隠れた名品であっても「不人気で怪しい」と見なされてしまうのは、非常に興味深い現象であると同時に、恐ろしさも感じさせます。
特に注意したい「目的のない買い物」での衝動
特に注意が必要なのが、明確な買い物の目的がないまま通販サイトを回遊している時です。2019年12月23日時点での分析によれば、セール期間中の「ついで買い」などは、情報の精査が面倒になりやすく、手っ取り早く人気を判別できる「投稿件数」に依存しがちになります。
SNS上の反響を見ても、「レビューの数だけで決めて失敗した」という声や、「サクラによる水増しが怖い」といった不安が散見されます。単なる数字の多さは、必ずしも商品の優良さを保証するものではありません。私たちは情報の「量」だけでなく「質」を見極める目を持つべきです。
私個人の見解としては、デジタルの時代だからこそ、あえて件数の少ない商品に目を通す勇気も必要だと考えます。誰かにとっての「最高」が、自分にとってもそうであるとは限りません。数字という魔力に惑わされず、自分自身のライフスタイルに真に合うものを選び抜きたいものです。
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