ウィーワーク問題から学ぶ!次世代シェアオフィス3社が示す「堅実経営」と利益重視の成長戦略とは?

かつてスタートアップ界の寵児として世界中から注目を浴びていた「ウィーワーク」を運営するウィーカンパニーが、新規上場の延期へと追い込まれました。この衝撃的なニュースは、巨額の赤字や当時の最高経営責任者による不適切な取引の発覚が引き金となり、業界全体に大きな激震を走らせています。これまでは企業の規模拡大を最優先するユニコーン企業がもてはやされてきましたが、今回の騒動はそのビジネスモデルの持続可能性に強い疑問を投げかける転換点となったのです。

インターネット上のSNSなどでもこの問題は大きな話題を呼んでおり、派手な演出や過剰なサービスに頼る経営姿勢に対して厳しい声が目立ちます。その一方で、この混乱を自社の飛躍に向けた絶好の好機と捉えている同業他社も存在しているのです。今回は市場のデータ分析を行う米CBインサイツの情報を基に、ただ規模を追うのではなく、利益を重視しながら着実に成長を遂げている注目のシェアオフィス企業3社を詳しくご紹介いたします。

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失敗から学びカメのように着実に歩むスイスの雄「IWG」

最初にご紹介するのは、スイスを拠点にマルチブランドを展開する歴史ある多国籍企業の「IWG」です。同社は1989年に「リージャス」の名称で創業し、2000年には株式上場を果たした業界の老舗として知られています。過去のITバブル崩壊時には、ベンチャー企業への積極投資が裏目に出てアメリカ子会社が経営破綻するという苦い経験を味わいました。しかし同社はこの手痛い失敗を教訓にして、現在は緩やかでありながらも非常に手堅い成長路線へと舵を切っています。

現在は、世界中で誰もが使いやすい空間を提供する「リージャス」や、利用者同士のコミュニティ形成を促す「スペーシズ」といった多様なブランドを運営しています。物件の規模自体はウィーワークとほぼ同等ですが、2018年の営業損益において6100万ドルの黒字を達成している点が最大の強みです。かつての失敗から学び、地に足をつけた持続可能なビジネスモデルを構築した同社の姿勢は、まさに現在の市場が最も求めている経営の鏡と言えるでしょう。

無駄を省いた低価格と大企業ターゲットで安定を掴む「ノテル」

続いて注目したいのが、企業価値が10億ドルを超える未上場企業、いわゆる「ユニコーン企業」の仲間入りを果たしたアメリカの「ノテル」です。2016年の創業から驚異的なスピードで事業を広げており、保有するオフィスの総面積は約46万平方メートルにまで達しています。すでに世界3大陸の15都市でサービスを展開していますが、同社の経営トップは、さらに進出都市を2倍に増やすという意欲的な計画を掲げています。

ノテルの最大の強みは、競合他社のような過剰なドリンクサービスなどをあえて排除し、コストを抑えて低価格で空間を提供している点にあります。さらに特筆すべきは、契約解除のリスクが低いマイクロソフトのような一流大企業を顧客のターゲットに据えていることです。こうした堅実なお客様を確保することで、景気の変動に左右されにくい安定した収益基盤を築いており、派手さよりも実利を取る現代的な戦略が実を結んでいます。

大家との提携で驚異の利益率90%を叩き出す「インダストリアス」

最後にご紹介する「インダストリアス」は、2013年の創業以来、独自のビジネスモデルで注目を集めるアメリカのコワーキングスペース企業です。コワーキングスペースとは、異なる企業や個人が空間を共有して働く先進的なオフィスの形態を指します。同社はこれまで主流だった、物件を借りて転貸する「サブリース方式」から、建物のオーナーと直接提携して運営を代行する「管理委託方式」へとビジネスの仕組みをシフトさせました。

この仕組みでは、内装の改装費やカフェスペースの設置コストといった多額の初期費用を、すべて建物の大家側が負担することになります。インダストリアスは、運営の管理費や賃料が値上がりした際の一部を成功報酬として受け取るため、全体の売上高自体は減少します。しかし驚くべきことに、従来のサブリース契約では30%程度だった利益率が、この新しい仕組みでは約90%という驚異的な高水準へと跳ね上がるのです。

同社は2020年に向けて新たに60カ所の拠点を追加する計画を進めており、高級フィットネスジムとの提携などユニークな試みにも挑戦しています。さらに大都市だけでなく、新興のIT産業が育ちつつある地方の中規模都市を狙い撃ちにする地域戦略も非常に巧みです。シェアオフィス業界の未来は、こうした賢いリスク管理と独自の付加価値を生み出せる企業にこそ、明るく開かれていくものと確信しています。

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