日本のモノづくりをITで救う!AI見積もり・受託製造サービスが切り拓く製造業の未来

頭の中に浮かんだ画期的なアイデアが、あっという間に形になって手元に届く。そんな夢のような「受託製造サービス」が、現在のものづくりの現場に深く根付こうとしています。インターネット経由でサービスを利用するクラウドや、立体の形状をデジタル化した3次元(3D)設計データを活用することで、発注から納品までの全工程がネット上で完結する時代が到来したのです。

人間の学習能力をコンピューターで再現する人工知能(AI)や、あらゆるモノをネットに繋ぐIoTといった最新技術の恩恵は計り知れません。熟練の職人が持つ神業とも言える技術に、誰もが手軽にアクセスできるようになりました。SNS上でも「AIの見積もり速度が驚異的すぎる」「面倒な発注業務から完全に解放された」と、驚きと称賛の声が次々と投稿され、大きな反響を呼んでいます。

特に注目を集めているのが、ミスミグループ本社が提供する「メヴィー」というウェブサービスです。これは、アイデア段階の部品であっても、クラウド上に3Dデータをアップロードするだけで、独自開発のAIが形状を瞬時に認識して見積もりを出してくれます。さらに驚くべきことに、発注から最短1日で製品が出荷されるというスピード感を実現しており、開発現場に革命をもたらしました。

従来、独自設計の部品を発注する際には、複数の加工業者に連絡を取り、料金交渉を行うなど、1週間ほどの手間と時間がかかるのが当たり前でした。しかしメヴィーの登場により、その煩わしさは過去のものとなりつつあります。金属や板金といった幅広い加工に対応し、2019年11月からは樹脂成型品の受注も開始されるなど、そのカバー範囲は着実に広がっている状況です。

2016年にスタートしたこのサービスは、多種多様な部品を少量ずつスピーディーに調達したいという開発部門の切実なニーズを見事に捉えました。現在ではトヨタ自動車やパナソニックといった日本を代表する大手メーカーも導入しており、ユーザー数は早くも3万人を突破しています。その圧倒的な利便性の背景には、自社で工作機械を開発・製造できるミスミならではの強みが隠されているのです。

ミスミは長年にわたって蓄積してきた膨大な生産データを活用し、部品の形状に合わせて最適な加工工程を導き出す独自のシステムを構築しました。担当者が「ITという名の秘伝のタレ」と表現するこのノウハウこそが、無限とも言える加工パターンへの対応と、超短納期での生産を可能にしています。テクノロジーによる徹底的な効率化によって、受託製造サービスの価値はますます高まっていると言えるでしょう。

手軽さを前面に打ち出したサービスとしては、ジェイテクトが2019年3月に開始した「ファクトリーエージェント」も見逃せません。ウェブ上で板金やプレス加工の依頼を引き受け、発注可能な加工業者を自動で見つけ出してくれる画期的なマッチングサービスです。図面データを登録すれば複数の見積もりを簡単に比較でき、チャットを使って詳細なやり取りを円滑に進めることができます。

このマッチング網に登録している企業はすでに3000社を超えており、ネットの向こう側には無数の専門家集団が控えています。どんなに突飛なアイデアや、一度は諦めかけた複雑な図面であっても、彼らの力を結集すれば具体的な形にできるという強大なポテンシャルを秘めています。大企業だけでなく、勢いのあるスタートアップ企業もこの熱い市場に続々と参入を果たしてきました。

たとえば、2017年に創業したキャディは、金属加工の受発注をウェブ上で仲介する革新的なサービスを展開しています。3D設計図をアップロードすると、全国数百カ所の町工場が持つ技術と注文内容を自動で照合し、受注可能な工場と見積もりを最短わずか7秒で提示してくれます。テクノロジーの飛躍的な進化が、これまで見えにくかったものづくりの舞台裏を劇的に変革している好例です。

こうしたウェブサービスの普及は、日本の製造業が抱える積年の課題を解決する突破口になるかもしれません。日本生産性本部のデータによると、日本の製造業における労働生産性は、2000年には堂々の世界トップでしたが、2017年には14位にまで大きく後退してしまいました。新興国の台頭による激しいグローバル競争や、デジタル化の遅れが深刻な影を落としているのが現状です。

部品加工の現場では発注量の波が激しく、中小企業にとって生産調整は常に頭の痛い問題でした。そのため納期が不安定になり、全体の生産スケジュールを遅らせる原因にもなっていました。しかし、高度な技術を要する部品であってもスムーズに依頼できるプラットフォームが整えば、付加価値の低い業務を効率化し、製品開発のスピードを限界まで引き上げることが可能になります。

今後は、立体物をデータから直接造形する3Dプリンターなどの最新設備の活用もさらに進むはずです。高額な設備投資の負担を分散できるため、受託サービス事業者にとっても大きなビジネスチャンスとなります。日本の中小企業には、世界に誇るべきキラリと光る職人技やアイデアがまだまだ眠っています。私は、こうした最新のITサービスが隠れた技術を引き出し、新たなイノベーションを必ず生み出すと確信しています。

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