北海道大学の隠された歴史とは?平和を考える1冊「北海道大学ピースガイド」が自費出版で登場!

美しい自然と広大なキャンパスで知られる北海道大学ですが、その華やかな歴史の裏には、あまり知られていない激動の時代が存在していました。2020年1月13日、同校の卒業生や教員らが中心となり、第2次世界大戦中の暗部や戦後の学生運動に焦点を当てた冊子「北海道大学ピースガイド」を自費出版したというニュースが飛び込んできました。価格は900円で、現在は学内の生協にて販売されています。

この冊子は、前身である札幌農学校の開校から戦後にかけての歩みを、約30人の関係者が当事者目線なども交えて執筆した意欲作です。SNS上では「母校にこんな過去があったとは知らなかった」「大学の光だけでなく影の歴史にも向き合う姿勢が素晴らしい」といった驚きや称賛の声が広がっています。単なる美談で終わらせない、歴史のリアルな質感に多くの人々が関心を寄せているのでしょう。

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軍事研究や冤罪事件…大学が歩んだ激動の時代

本書では、かつて北海道帝国大学だった時代に理系学部が関わった軍事研究や、悲劇的な「レーン宮沢事件」についても詳しく触れています。ここで言う軍事研究とは、戦争を優位に進めるための兵器や技術の開発を指し、本来は学問の自由があるべき大学が国家の戦時体制に組み込まれていった悲しい現実を物語っています。こうした過去を直視することは、現在の学術のあり方を問い直す上でも極めて重要だと私は考えます。

また、同事件は「軍機保護法違反」という、国家の秘密を漏洩した罪に問われた痛ましい冤罪事件です。これは、周知の事実だった軍飛行場の存在を米国人講師夫妻に話した学生がスパイとみなされ、有罪判決を受けたものです。国家が人々の言葉や思想を厳しく統制した恐ろしさが伝わってきます。現代の私たちは、表現の自由がどれほど尊いものであるかを、彼らの犠牲から改めて学び取る必要があるのではないでしょうか。

戦後の抵抗運動とこれからの平和への願い

さらに冊子は、戦後のGHQによる「レッドパージ」に対する反対運動など、学生運動や教職員組合の闘争史も活写しています。レッドパージとは、当時のGHQが主導した、共産党員やそのシンパとみなされた人々を公職や企業から強制的に排除した動きのことです。不当な圧力に屈せず、自分たちの信念や権利を守るために立ち上がった人々の熱いドラマが、当事者の生々しい言葉によって蘇ります。

事務局長が2016年12月に上演した演劇がきっかけとなって誕生したこの1冊。著者の一人である山形助教は、陰の部分から目を背けずにまとめたと語り、全国の大学で歴史を見直すきっかけになってほしいと期待を寄せています。過去の過ちを学び、平和の尊さを次世代へ繋ぐ試みは大変意義深く、この本が多くの若者にとって、社会の問題意識を持つ有益なバイブルとなることを切に願ってやみません。

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