AIやゲノムの未来を守る!政府が「科学技術基本法」改正で哲学・法学を大改革する理由

人工知能(AI)の急速な進化やゲノム編集といった最先端テクノロジーの台頭により、私たちの社会は今、大きな転換期を迎えています。こうした最先端技術がもたらす未知の課題に対応するため、政府は科学技術振興の根幹となる「科学技術基本法」の抜本的な見直しに乗り出しました。2020年1月20日に召集される通常国会へ改正案が提出される見込みであり、これまでの理系偏重だった研究支援のあり方が根底から覆ろうとしています。

今回の法改正で最も注目されているポイントは、これまで支援対象から除外されていた哲学や法学、歴史学といった「人文・社会科学」を、正式に国の研究助成や支援の枠組みへ組み込む点です。1995年の制定以来、手つかずだった同法において「人文科学のみに係るものを除く」という文言がついに削除されます。名称も「科学技術・イノベーション基本法(仮称)」へと生まれ変わり、地球温暖化や少子高齢化といった複雑な社会課題を解決するための新機軸となるでしょう。

インターネット上では、この方針に対して「技術の暴走を防ぐために、文系の知恵は絶対に不可欠だ」「倫理観のない科学は凶器になり得るから、素晴らしい決断だと思う」といった賛同の声が数多く上がっています。その一方で、「予算が分散してしまい、日本の理系研究の競争力がさらに落ちるのではないか」と懸念する意見も散見されました。このように、テクノロジーと人間の在り方を巡る議論は、SNSでも非常に高い関心を集めているのです。

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AIの差別問題や倫理の壁を突破する「文系の知恵」とは

なぜ今、国を挙げて文系学問の重要性が叫ばれているのでしょうか。その背景には、AIの開発や運用において、技術だけでは解決できない倫理や社会慣習の壁が世界中で顕在化している事実が存在します。膨大なデータを学習して最適解を導き出すAIですが、手本となるデータに人間の偏見が含まれている場合、人種差別や性差別をAIが自ら学習し、それを助成・拡大してしまうリスクが指摘され続けているのです。

事態を重く見た政府は、2018年に「人間中心」を第一に掲げたAIの活用原則をまとめました。欧州連合(EU)の欧州委員会も同様の倫理指針案を公表しており、ルール作りのために人間の本質を探求する哲学や法学の知見を求める動きは、世界的なトレンドとなっています。また、ヒトの受精卵を操作するゲノム編集(遺伝子を自在に改変する最先端の生命科学技術)の進歩においても、どこまでを許容すべきかという倫理的判断は、理系の知識だけで導き出せるものではありません。

近年は、デジタル化によって人間や社会を行動データなどで定量的に分析する手法が広がり、文系と理系の垣根そのものが急速に低くなっています。政府は2021年度からスタートする「第6期科学技術基本計画」にこの方針を盛り込み、これまで全体額の15パーセントに留まっていた人文科学系への科学研究費(国から支給される研究補助金)の配分を大幅に増やす計画です。有識者会議へ文系の専門家を招く試みも始まり、科学の未来はより人間味溢れるものになるでしょう。

編集部の視点として、今回の法改正は日本の学術界が長年抱えていた「文理の分断」を解消する画期的な一歩であると確信します。テクノロジーが便利になればなるほど、それを扱う私たちの「倫理観」や「法整備」が追いつかなければ、社会の分断を招きかねません。理系の鋭い矛と、文系の理性を宿した盾が融合することで、日本が誇るイノベーションはより安全で、人々に寄り添った形へと進化を遂げるに違いないと考えます。

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