私たちの住む地球が、いま未曽有の熱波に包まれています。世界気象機関(WMO)が2020年1月15日に発表したデータによると、2019年の世界平均気温は観測史上2番目の高さを記録しました。SNS上でも「これ以上暑くなったらどうなるのか」「異常気象が当たり前になっていくのが怖い」といった、将来を不安視する声が次々と上がっています。近年の気温上昇は一時的な現象ではなく、地球温暖化が確実に進行している厳然たる事実を示していると言えるでしょう。
特に深刻なのは、直近の5年間および10年間の平均気温が、いずれも過去最高を塗り替えている点です。1980年代以降、10年ごとの平均気温は右肩上がりに上昇し続けており、温室効果ガスの影響が地球規模で顕在化しています。WMOは2019年12月3日の国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の場でも、この深刻な事態を予測していました。これまでの最高記録である2016年に迫る勢いで、産業革命前と比べて1.1度も上昇しているのが現状です。
産業革命とは、18世紀後半から19世紀にかけて工場での機械工業が発展し、石炭などの化石燃料を大量に消費し始めた歴史的転換期を指します。WMOでは近代的な気象観測が始まった1850年から1900年までの平均を「産業革命前の気温」と定義し、現在の温暖化の基準にしています。当時に比べてわずか1.1度の差と思われるかもしれませんが、地球全体のシステムにとっては、生態系を大きく揺るがすほどの深刻な変化をもたらしているのです。
海の悲鳴!最高を更新し続ける海水温と牙をむく異常気象
気温の上昇による熱エネルギーは、大気中だけでなく、地球の表面の多くを占める広大な海にも吸収されています。その結果、2019年の世界海水温は過去最高を記録するに至りました。さらに恐ろしいことに、過去5年間の海水温の記録がそのまま観測史上トップ5を独占している状態です。海が熱をため込み続けることで、台風の大型化や世界的な気象パターンの激甚化が引き起こされる悪循環に陥っていることは明白ではないでしょうか。
ターラスWMO事務局長は、現状のまま温室効果ガスの排出が続けば、今世紀末までに産業革命前より3度から5度も気温が上昇すると強い危機感を表明しました。オーストラリアでの壊滅的な大規模森林火災を例に挙げ、残念ながら私たちは今後数十年間にわたり、過酷な異常気象と向き合い続けなければならないと警鐘を鳴らしています。私たちは便利さを追い求めるあまり、地球への環境負荷を軽視しすぎていたのかもしれません。
このデータは、人類が今すぐにライフスタイルや経済活動を見直さなければ、取り返しのつかない未来を迎えるという地球からの最終通告のようにも感じられます。一過性のニュースとして消費するのではなく、国や企業、そして私たち一人ひとりが脱炭素に向けた具体的な一歩を踏み出す時が来ています。持続可能な未来のために、環境への配慮を最優先とする社会へシフトしていくことこそが、今を生きる私たちの重大な責任ではないでしょうか。
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