皇居の厳かな空気の中、新しい時代の幕開けを告げる新春の伝統行事が執り行われました。2020年1月16日、皇居・宮殿の「松の間」において、令和となって初となる「歌会始の儀」が華やかに催されたのです。歌会始とは、天皇陛下が年の初めに人々を招き、共通のお題で詠まれた和歌を独自の節回しで披露する伝統的な宮中行事です。今回のめでたいお題は「望」とされ、全国から寄せられた1万5324首もの応募作から選ばれた一般の入選者たちの作品も、古式ゆかしい儀式の中で朗々と詠み上げられました。
今回の開催は、皇位継承に伴う代替わりが行われてから初めてということもあり、会場の配置も一新されました。中央に天皇、皇后両陛下が並んで座られ、その両側に秋篠宮ご夫妻をはじめとする皇族方が着席されるという、新鮮な光景が広がったのです。特に多くの国民の胸を打ったのは、皇后雅子さまのご出席でした。ご療養が始まった2003年以来、実に17年ぶりとなる歌会始への御姿に、日本中が温かい喜びに包まれています。なお、2019年に退位された上皇ご夫妻は出席されず、お歌の披露もありませんでした。
天皇陛下が詠まれたお歌には、未来を担う子どもたちへの深い愛情が溢れています。視察先で出会った元気な子どもたちの歓声が心に響いた情景を表現され、彼らの将来がどうか明るく清らかであってほしいという切なる願いを込められました。このお姿に対して、SNS上では「子どもたちの未来を何よりも願う陛下の優しさに感動した」「これからの日本が明るくなると信じられる素敵なお歌」といった、共感と感動の声が次々と寄せられており、国民の心を強く引きつけています。
一方で皇后さまは、甚大な被害をもたらした自然災害の被災地へ足を運ばれた際のご経験を歌にされました。各地の過酷な環境の中で、若い世代が献身的にボランティア活動に励み、人々に復興への希望と勇気を与えている姿に深い感銘を受け、頼もしく思われた心情が真っ直ぐに表現されています。悲しみの中から立ち上がろうとする人々と、それを支える若者の力を「希望」として捉えられた皇后さまの温かい眼差しは、多くの被災者にとって計り知れない励ましとなるに違いありません。
振り返れば、両陛下は即位された後の2019年6月に東京都内の保育園を訪問し、次代を担う園児たちと心温まる交流を重ねられました。さらに同年の12月には、台風19号によって大きな被害を受けた宮城県丸森町と福島県本宮市を見舞われ、被災者や復興作業に尽力する人々一人ひとりに、寄り添うような励ましの言葉を掛けて回られたのです。こうした熱心な公務を通じて得られた実感があるからこそ、両陛下のお歌には、これからの未来を創り出す世代への確かな希望が力強く息づいているのでしょう。
筆者は、今回の歌会始を通じて、令和という新しい時代が「人々の絆と未来への投資」を大切にする時代になることを強く確信しました。両陛下が揃って次世代の若者や子どもたちに焦点を当て、その存在を「望み」と表現されたことは、少子高齢化や災害といった課題に直面する現代日本において、非常に大きな意味を持ちます。伝統を守りながらも、常に現代の国民と同じ目線で社会を見つめ、明日への活力を与えてくださる両陛下の歩みを、これからも私たちは温かく見守り、応援していくべきではないでしょうか。
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