政治への信頼を大きく揺るがす深刻な事態が幕を開けました。2019年7月の参議院選挙をめぐり、自民党の河井案里参議院議員の陣営が公職選挙法違反に問われている問題で、大きな進展があったのです。広島地検は2020年1月15日、広島市にある河井前法相と案里氏の夫妻の地元事務所や秘書の自宅へ、容疑の裏付けを進めるため一斉に家宅捜索へと踏み切りました。
今回の強制捜査の引き金となったのは、選挙カーから投票を呼びかける「車上運動員」への違法報酬疑惑です。いわゆる「ウグイス嬢」と呼ばれる彼女たちに対して、法律で定められた日当の上限である1万5000円を大きく上回る、2倍の3万円が支払われていた疑いが持たれています。すでに一部の運動員が地検の調べに受領を認めており、言い逃れのできない状況に陥っていると言えるでしょう。
インターネット上ではこの一報を受け、怒りや失望の声が爆発しています。SNSでは「法律を作る立場の人間が自らルールを破るなんて言語道断だ」といった手厳しい批判が相次ぎ、トレンドワードを駆け上がりました。また、疑惑発覚からまともに説明責任を果たしていない夫妻の姿勢に対し、「国会を休んで雲隠れするのは卑怯だ」という国民の強い不満がタイムラインを埋め尽くしています。
問題はウグイス嬢への日当に留まらず、さらに根深い闇が潜んでいる模様です。案里氏がトップを務める自民党支部から、陣営の男性会社員へ約86万円という巨額の資金が振り込まれていたことも判明しました。この男性は、河井克行前法相から直接支払いの申し出があったと証言しており、選挙中の「支持固め」、つまり特定の有権者に投票を働きかける行為への見返りだったと認識していたようです。
公職選挙法は、お金の力で選挙結果が歪められるのを防ぐために存在しています。もしも今回のように、裏で多額の報酬をばら撒いて票を買うような行為が事実であれば、民主主義の根幹を揺るがす大罪と言わざるを得ません。激戦区だった広島選挙区において、この資金力が勝敗を分けたのだとしたら、落選した候補者や清き一票を投じた有権者への裏切りであり、断じて許されることではないのです。
克行氏は2019年10月末に法相を辞任して以降、夫妻揃って国会を欠席し続けており、案里氏は適応障害の診断書を出して療養中とされています。しかし、体調不良を理由に司法の手から逃げ切ることは不可能です。広島地検は押収した資料の分析を急ピッチで進めており、夫妻がどこまでこの違法な買収工作に関与・共謀していたのか、捜査の手がどこまで伸びるのかに大きな注目が集まっています。
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