象印マホービン株が急高騰!中国家電大手ギャランツの買収・株主提案の思惑と今後の成長戦略を徹底解説

日本の食卓を支えてきた老舗ブランド「象印マホービン」の株価が、株式市場で大きな注目を集めています。2020年1月17日の東京株式市場において、同社の株価は5日ぶりに反発し、前日比1%高の2188円で取引を終えました。投資家の間で話題が沸騰したきっかけは、中国の家電大手である「ギャランツグループ」が同社の株式を大量に保有している事実が明らかになったことです。一時は株価が2割以上も急騰する場面があり、市場には驚きと期待が広がっています。

この動きを受け、野村証券は象印株の目標株価をこれまでの1200円から一気に2000円へと引き上げました。今回の株式取得は、ギャランツの日本法人であるギャランツジャパン(大阪市)が、2社の投資ファンドと共同で行ったものです。彼らの合計保有比率は13.5%に達しており、なんと象印の「筆頭株主」という最大の影響力を持つポジションに躍り出ました。このファンド側は、実は2018年夏から市場でじわりじわりと象印株を買い増していたようです。

SNS上では「あの象印が外資に狙われるなんて」「炊飯器の技術が流出しないか心配」といった驚きや懸念の声が上がる一方で、「これを機に海外で大躍進してほしい」「経営改革の起爆剤になる」といったポジティブな受け止め方もあり、トレンドを賑わせています。多くの消費者に愛されているブランドだからこそ、その経営権を巡る思惑には世間の関心も非常に高いのでしょう。

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突きつけられた株主提案と象印が直面する業績低迷の課題

今回、筆頭株主となったギャランツ側は、現在の象印の経営陣に対して厳しい姿勢を見せています。「株主やステークホルダー(企業の利害関係者)の利益に資する経営が行われていない」と主張し、2020年2月に開催予定の定期株主総会にて、独自の取締役候補者を推薦する「株主提案」を行う構えです。株主提案とは、一定以上の権利を持つ株主が、総会の議案を直接提案できる制度のことで、経営陣に対する強い意思表示となります。

対する象印側は、このギャランツ側の提案に対してすぐさま反対の意向を表明しました。しかし、同社を取り巻く経営環境は決して楽観できるものではありません。象印の業績は、過去最高益を記録した2016年11月期をピークに、現在は減収減益という苦しいトンネルが続いています。かつて日本中を席巻した、訪日外国人観光客による炊飯器やステンレスボトルの、いわゆる「爆買いブーム」の恩恵が完全に剥ぎ取られてしまったことが主因です。

筆者は、今回のギャランツによる揺さぶりは、象印がこれまでの「インバウンド(訪日外国人)頼み」のビジネスモデルから脱却するための、最大の転換期になると考えています。伝統を守るだけでなく、新たな血を入れ替える覚悟がなければ、成熟した日本市場での生き残りは容易ではありません。外圧を敵視するだけでなく、自社の強みを再定義するチャンスに変えるべきです。

中国市場でのブランド力と外部パートナーとの連携という未来

象印のこれからの成長のカギは、やはり海外市場への進出にあります。特に中国において、象印の魔法瓶や炊飯器のブランドイメージは非常に高く、富裕層を中心に強い支持を集めているのが現状です。野村証券の岡崎優アナリストは、2020年1月16日付のリポートの中でギャランツの株式保有に言及し、今後の象印の出方として「外部のパートナーと手を組むことも有効な選択肢の一つ」であると鋭く指摘しました。

突如として現れた「思わぬ大株主」であるギャランツは、世界的な電子レンジメーカーでもあり、中国国内での強固な販売網を持っています。象印が彼らを単なる「敵対的買収者」として退けるのか、それとも中国市場を攻略するための強力なパートナーとして協調の道を模索するのか、その決断に注目が集まります。まずは2020年2月に控える株主総会が、同社の未来を占う最初の大きな決戦の場となるでしょう。

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