ミステリー小説を愛する方なら、1928年にイギリスの作家ロナルド・ノックスが提唱した「探偵小説十戒」というルールをご存じでしょうか。「偶然に頼って事件を解決しない」といった、物語のリアリティを保つための鉄則が並んでいます。その中には現代の視点から見ると奇妙に思える偏見混じりの条項も含まれていますが、当時の人々にとってはそれが一つの基準でした。しかし、2020年01月19日現在の世界情勢に目を向けると、当時のフィクション以上に不可解で超合理的な動きが現実の国際社会で繰り広げられているのです。
特に注目を集めているのが、激しい貿易戦争を続けてきたアメリカと中国の動向でしょう。両国は、中国が今後2年間で約22兆円規模のアメリカ製品を追加で購入することなどを条件に、「第1段階」の合意に達しました。これに対してSNS上では、「ひとまず泥沼化が回避されて安心した」という安堵の声が上がっています。その一方で、「これほど巨額の取引を国家間で縛るのは、自由な市場を歪めるのではないか」といった、先行きを不安視する書き込みも数多く見られ、ネット上でも議論が白熱している状況です。
自由経済を揺るがす「貿易管理」の危うさとリーダーの責任
今回の決定は、市場の需給バランスではなく国家が主導して輸出入の量をコントロールする「貿易管理」に他なりません。これは資本主義の基本である市場経済に対して、大きな悪影響を及ぼすリスクを孕んでいます。自由な競争が阻害されれば、結果として世界中の企業や消費者が不利益を被る事態を招きかねません。目先の衝突を回避するための妥協案とはいえ、経済の原則から大きく逸脱した不自然な取り決めには、私自身も強い危機感を抱かざるを得ないのです。
さらに、地球温暖化や難民問題といった地球規模の難題が山積する現代において、大国のリーダーたちが果たすべき役割は極めて重いと言えます。本来であれば、世界を正しい方向へ導くための強力な統率力が期待される場面でしょう。しかし、自国第一主義を掲げて国際協調を乱すような振る舞いが続けば、国際社会の枠組みそのものが機能しなくなってしまいます。まるで「世界の話し合いの場に二大国を登場させてはならない」という皮肉なルールを作りたくなるほど、現在の混迷した状況は深い懸念を残しています。
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