福島県沖の試験操業で初の漁獲量減少へ!不漁と台風がもたらした現状とこれからの水産業の行方

東日本大震災に伴う原子力発電所の事故以降、福島県沖では魚の種類やエリアを限定して安全性を確認する「試験操業」が続けられてきました。これまで着実に回復の兆しを見せていた水揚げ量ですが、2019年の年間漁獲量が2012年の試験操業開始以来、初めて減少に転じる見込みであることが関係者への取材により明らかになりました。

近く公表される2019年の速報値は4000トンを割り込む見通しで、2018年に記録した約4010トンを下回ることが確実視されています。この衝撃的なニュースに対し、SNS上では「せっかくここまで頑張ってきたのに悔しい」「自然相手の難しさを痛感する」といった、地元の漁業関係者を気遣い応援する声が多数寄せられている状況です。

今回の水揚げ減少を引き起こした最大の要因は、主力魚種であったコウナゴの極端な不漁にあります。コウナゴとはイカナゴという魚の稚魚(子ども)のことで、福島県沖の主要な水産資源です。2018年には全体の漁獲量の約25%を占めるほどの主役でしたが、2019年はなんと水揚げがゼロという異例の事態に見舞われてしまいました。

西日本での深刻な不漁も重なったことでコウナゴの需要は非常に高く、市場では高値で取引されていたため、このゼロという数字は地域の経済にとっても大打撃を意味します。さらに、2019年10月に東日本を襲った台風19号の影響によって海が荒れ、漁に出られる日数が大幅に減ってしまったことも追い打ちをかける結果となりました。

近年の地球規模での海水温上昇がコウナゴの深刻な不漁を招いているとみられており、地球温暖化の影響が身近な食卓にまで及んでいることを実感せざるを得ません。福島の漁業は事故前の2010年には約2万6000トンもの豊かな漁獲高を誇っていましたが、厳しい自主規制を経て再開した2013年には約400トンまで落ち込んでいた過去があります。

そこから一歩ずつ歩みを進めてきた中での今回の減少は胸が痛むニュースですが、気候変動という抗えない課題に対しては、漁獲のあり方そのものを柔軟に変えていく姿勢が求められるでしょう。県の担当者も指摘するように、一時的な台風被害とは異なり、環境変化による不漁は長期化する恐れがあります。

今後はコウナゴだけに頼るのではなく、別の魚種をターゲットに据えるような構造転換への挑戦が、福島の海が持つ本来の豊かさを取り戻す鍵になるはずです。逆境に立たされても安全で美味しい魚を届けようと奮闘する漁師の方々を、私たちは消費行動や温かい関心を通じて、これからも全力で支えていくべきではないでしょうか。

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