【特定抗争指定暴力団】治安への効果と「半グレ」化する裏社会の新たな脅威とは?

2020年01月07日、日本の裏社会に大きな動きが見られました。かつて激しい対立を繰り広げた2つの暴力団に対して、より厳しい規制が可能となる「特定抗争指定暴力団」への指定が行われたのです。過去の事例を振り返ると、この強力な法制度がもたらす効果と、それに伴う新たな時代の治安上の課題が浮き彫りになってきます。

この「特定抗争指定暴力団」という専門用語は、対立抗争によって市民の生活に危険を及ぼす恐れがある組織に対し、公安委員会が格段に厳しい制限を課す制度を指します。指定された組織の組員は、対立組織の事務所近くへの立ち入りや、5人以上で集まること自体が禁止されるため、警察側にとっては非常に強力な武器となるのです。

SNS上では、この厳罰化に対して「これで街の安全が守られるなら安心だ」といった歓迎の声が多数寄せられています。その一方で、規制が厳しくなることによって「かえって見えにくい形で犯罪が増えるのではないか」と、今後の治安維持に一抹の不安を抱く鋭い意見も散見されました。

実は2012年12月にも、福岡県などの公安委員会によって道仁会と浪川睦会(当時は九州誠道会)が、日本で初めてこの恐ろしい特定抗争指定を受けました。2006年の組織分裂をきっかけに始まった両者の激突は、2012年までに47件もの抗争事件へと発展し、一般市民を含む14人もの尊い命が奪われる悲劇を招いていたのです。

しかし、この強力な指定が実行されてからは、約1年半後に解除されるまで抗争事件がぴたりと収まりました。この実績を見る限り、制度の持つ抑止力や鎮静効果は極めて高いと言わざるを得ません。平和な市民の日常を守るため、警察権力が毅然とした態度で網をかける重要性が証明された形です。

ここで私たちは、表面的な鎮静化の裏にある構造変化にも目を向ける必要があります。厳しい取り締まりによって資金源を断たれた末端の組員たちが、組織を離脱した後にどこへ向かうのかという問題です。彼らがカタギに戻れず、さらなる犯罪へ手を染めるケースが懸念されています。

社会病理学の専門家である広末登氏の分析によると、行き場を失った元組員たちが「半グレ」と呼ばれる不良集団と手を組む可能性が指摘されています。半グレとは、暴力団のように明確な組織図を持たないものの、振り込め詐欺などの犯罪を繰り返す実態のつかみにくいグレーな集団のことです。

暴力団という看板を失った犯罪者たちが、法律の網の目をかいくぐる半グレへと形を変えて潜行すれば、警察の監視はより困難になるでしょう。これからは、表立った組織への規制を強めるだけでなく、地下へ潜る新たな不良集団のネットワークをどう解体していくかが、真の治安維持への鍵を握るはずです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました