2019年に行われたラグビーワールドカップの表彰式にて、世界中が固唾をのんで見守る中、誰も見たことのないサプライズが登場しました。それが、ランドローバーが誇る新型「ディフェンダー」です。日本代表の歴史的な快挙に沸く会場へ、正装を身にまとったリーチ・マイケル選手を乗せて颯爽と現れたその姿は、まさに完璧すぎる新車初披露のステージとなりました。SNS上でも「まさかこのタイミングでお披露目されるとは!」「リーチ選手との組み合わせが格好よすぎる」といった歓喜の声が溢れ返り、大きなトレンドとなったのは記憶に新しいところでしょう。
近年よく耳にするSUVとは、舗装されていない悪路の走行やアウトドアでの利便性に優れたスポーツ用多目的車のことで、現在とても人気を集めているカテゴリーです。この言葉が定着する遥か昔から、オフロード向けの四輪駆動車を専門に作り続けてきた名門ブランドこそが、イギリスのランドローバーになります。英国軍にも制式採用されている「ディフェンダー」は、まさに同社の魂とも言える歴史的モデルであり、今回のフルモデルチェンジは実に29年ぶりという、自動車業界にとっても歴史的な大事件となりました。
川下りすら可能にする驚異のスペックと最新の水中探知センサー
ランドローバーが手掛けるマシンの真骨頂は、どんな劣悪な路面でも突き進む圧倒的な走破性にありますが、実は水に対しても規格外の強さを発揮します。公式カタログには、車が安全に潜って進むことができる深さを示す「最大渡河水深」という項目が明記されており、新型ディフェンダーや最高級モデルのレンジローバーでは、なんと90センチメートルという驚異の数値を誇っているのです。実際にスコットランドで行われた試乗会では、川をただ横切るだけでなく、深い水の中を何十メートルも航行するという、常識破りのテストコースが用意され、その実力が証明されました。
大人の腰元まで迫るような水圧と深い水の音がボディーを通じて伝わってくる緊迫した状況でも、車内を恐怖から救ってくれるのが「ウェイド・センシング」と呼ばれる水中走行検知機能です。これは超音波などを利用してリアルタイムで周囲の水深を計測するハイテクシステムで、水深が15センチメートルを超えると、ダッシュボードの画面にグラフィックで水かさを分かりやすく表示してくれます。限界の深さに近づくにつれて警告音でドライバーに危険を知らせてくれるため、視界の悪い水中でも常に冷静な運転をサポートしてくれるでしょう。
現代の日本は、大型の台風や予測不可能なゲリラ豪雨によって、市街地でも一瞬にして道路が冠水してしまう自然災害のリスクと隣り合わせにあります。自動車が水没して立ち往生する悲劇的なニュースを耳にする機会も増えましたが、このような非常事態において、これほど心強い相棒は他に存在しないはずです。単なるアウトドアの趣味を超えて、大切な家族の命を守る究極の防災ツールとしても、新型ディフェンダーは現代において最も信頼を寄せられる、安心感に満ちた1台であると私は確信しています。
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