次世代の高速通信規格として世界中から大きな期待を集めている「5G」を巡り、国際政治の舞台で新たな動きが見られました。イギリス政府が、中国の通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)のインフラ製品について、国内の5Gネットワークへ限定的に導入を認める方針を固めたことが2020年1月23日に判明したのです。来週開催される予定の国家安全保障会議において、この決定が正式に下される見通しとなっています。
安全保障上のリスクを理由に、同盟国に対してファーウェイ製品の完全な排除を強く求めてきたアメリカですが、今回のイギリスの決断はそれに反する形となりました。ここで注目される「5G」とは、現在主流の4Gに比べて通信速度が飛躍的に向上し、膨大なデータを瞬時に送受信できる技術のことです。あらゆるモノがインターネットにつながるIoT時代において、まさに社会の根幹を支える最重要のインフラとして位置づけられています。
イギリスの通信会社は、すでに基地局のアンテナといった一部の設備にファーウェイ製品を組み込んで運用しています。仮に政府が完全排除へと舵を切れば、既存の設備をすべて交換するための莫大なコストが通信会社に重くのしかかるため、業界からは排除を避けるよう懇願する声が上がっていました。機密情報を扱う中核ネットワークを避け、基地局などの周辺機器に限定すれば、情報漏洩の危険性を管理できるとイギリス政府は判断した模様です。
このニュースに対し、SNS上では「現実的なコストを考えれば当然の選択」「アメリカの圧力に屈しなかったイギリスの姿勢は興味深い」といった、経済的合理性を支持する声が目立っています。一方で、「本当にセキュリティは万全なのか」「アメリカとの関係悪化が心配だ」といった懸念を抱く意見も交わされており、ネット上でも賛否両論が渦巻く大激論へと発展している状況です。
かねてより情報流出のリスクを主張するアメリカに対し、ファーウェイ側は一貫してその疑惑を完全に否定してきました。同社の製品は、他社を圧倒する圧倒的なコストパフォーマンスだけでなく、技術的な性能の高さでも非常に優れた評価を獲得しています。だからこそ、イギリスをはじめとするヨーロッパ各国では、すでに同社の機器が携帯通信網へ深く組み込まれているのが実情なのです。
筆者は、今回のイギリス政府の政治決断について、非常に賢明で現実的なバランス感覚に基づいたものだと評価しています。アメリカとの外交関係を守ることも大切ですが、次世代の経済成長に不可欠な5Gの導入スピードを落とし、自国の通信会社に巨額の負担を強いることは国益を損ないかねません。リスクを精査して制御可能な領域で優れた技術を活用していくという姿勢は、今後のデジタル社会において極めて重要になるでしょう。
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