2019年5月29日付の報道は、鉄鋼大手JFEホールディングス(HD)の柿木厚司社長が、就任後初の共同取材で、傘下の造船会社**ジャパンマリンユナイテッド(JMU)の将来について言及した、注目すべきニュースを伝えました。柿木社長は、JMUの「大型再編に進む必要があるのか見極めたい」**と述べ、将来的に他社との提携や統合の可能性を示唆したのです。これは、日本の造船業界全体が抱える構造的な課題を浮き彫りにしています。
JMUは、2018年3月期に液化天然ガス(LNG)船の建造遅れによって多額の損失を計上しました。その後、2019年3月期は黒字化を果たしたものの、韓国や中国勢との熾烈な競争や需給環境の厳しさから、柿木社長は「JMUがそれなりに(業界に)残っていけるかは難しい要素がある」と、その前途が容易ではないという認識を示しました。SNS上では当時、「LNG船の損失は痛い」「韓国勢に勝つには再編は不可避ではないか」といった、造船業界の将来を案じる声が多く上がっていました。
当面の収益改善策として、柿木社長は「現在あるドックのスリム化などで、安定した収益を上げることが必要だ」と述べ、まずは自力での体質改善を図る方針を示しました。ここでいう「ドック」とは、船の建造や修理を行うための設備のことを指します。設備の効率化を図り、固定費を削減することで、安定的な収益を確保することが急務だと判断されたのでしょう。
コラムニストとしての私の意見ですが、このJFEHDトップの発言は、単なる造船事業の将来だけでなく、米中貿易摩擦という地政学リスクへの認識も反映しています。柿木社長は、中核事業である鉄鋼への直接的なダメージはまだ少ないとしながらも、追加関税の応酬が続けば「サプライチェーンの在り方が今後、変わってくるだろう」と語りました。鉄鋼も造船も、グローバルなサプライチェーンから切り離せない産業であり、JMUの再編検討は、世界的な競争激化とリスク分散という二重の課題に対応するための、戦略的な決断だと評価すべきでしょう。
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