2019年5月30日、英国でついに次世代通信規格である「5G(ファイブジー)」の商用サービスが幕を開けました。サービスを開始したのは、英BTグループ傘下で同国最大の携帯電話事業者であるEEです。まずはロンドンをはじめとする6つの主要都市から提供を開始し、その後、順次サービス提供エリアを拡大していく予定です。この超高速・大容量の通信技術は、私たちのデジタルライフを根底から変える可能性を秘めていますね。
しかし、現時点のEEが提供するサービスは、厳密には5Gの「真の力」を発揮するものではなく、既存の4Gネットワークを高度に改良したものに留まる見込みです。EEのマーク・アレラCEOは記者会見で、2022年からの本格的な5Gサービス展開を目指すと表明しており、それまでは过渡的な期間となるでしょう。これは、5Gの持つ特性である「低遅延(データ通信のタイムラグが極めて少ないこと)」や「多数同時接続(膨大な数のデバイスを同時にネットワークに繋げられること)」といった能力が、まだ最大限に活かされていない状態であることを意味しています。
EEは、当初のスマートフォン端末のラインアップにおいて、中国の通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)の製品の採用を見送りました。一方で、通信インフラの構築においては、ボーダフォンを含む他の通信事業者と同様に、ファーウェイ製品の一部を引き続き使用していく方針です。このハイブリッドな対応は、世界的に高まる通信インフラの安全性への懸念と、ファーウェイの持つ技術力やコスト競争力との間で、各社がバランスを取っている状況を映し出していると言えるでしょう。
この英国での5G開始の報は、SNSでも大きな話題となっています。「ついに5Gの時代が来たか!」「これでスマホの動画視聴がもっと快適になるはず」と期待の声が多数上がる一方で、「最初は4Gの改良版なら、まだ焦って対応スマホを買う必要はないかな」といった冷静な意見も見受けられます。また、欧州ではすでにスイスのサンライズが、ファーウェイとの共同事業として2019年4月から5Gサービスをスタートさせており、英国の動きは他国の動向とも比較されながら注目を集めています。
世界が注目する5Gインフラの行方
通信インフラにおいて、特定企業への依存度が高まることは、技術的な優位性とは別に、地政学的なリスクとして考慮されるようになってきました。特にファーウェイに対する世界的な議論の高まりは、今回のEEの端末採用見送りにも影響を与えたと推察されます。私見ではありますが、5Gという国家の重要インフラの構築において、技術革新を追求しつつも、セキュリティと多様なサプライヤーを確保することは、今後のデジタル社会の安定性にとって極めて重要であると考えています。
英国に続いて、ヨーロッパ各国でも5Gの波は確実に押し寄せています。通信規格が5Gへと進化することで、私たちの日常生活におけるスマートフォンの利用体験が向上するだけでなく、自動運転車や遠隔医療、スマートシティといった分野での**IoT(モノのインターネット)**が本格的に実現する土台が整うでしょう。この技術が英国経済、ひいては世界経済にどのような変革をもたらすのか、今後の進展から目を離すことはできませんね。
コメント