🇬🇧 大規模デモで揺らぐ?トランプ大統領のイギリス国賓訪問!米英「特別な関係」の行方と5G・イランを巡る溝

2019年6月3日、ドナルド・トランプ米大統領がメラニア夫人を伴い、国賓としてイギリスを訪問しました。これは、就任直後から熱望されていた訪問であり、エリザベス女王との会見やテリーザ・メイ首相との会談を通じて、長年にわたり築かれてきた米英の「特別な関係」を世界に印象づけたい意図があるように見受けられます。

しかしながら、今回の訪問は、前回の2018年7月の実務訪問に続き、ロンドン市内で大規模な反トランプデモが予定されているなど、国内の反トランプ感情の根強さが浮き彫りになっています。歓迎ムードとは言い難い状況で、英調査会社ユーガブの調査では、トランプ氏への国賓待遇に反対するとの回答が4割にものぼったといいます。イスラム系移民に対する厳しい政策や、地球温暖化を軽視する姿勢が、特に市民の強い反発を招いている要因でしょう。

実際、訪問初日となる6月3日、トランプ大統領はヘリコプターでバッキンガム宮殿に到着し、チャールズ皇太子夫妻、そしてエリザベス女王の笑顔での出迎えを受け、豪華な歓迎セレモニーや昼食会に参加されました。長女のイバンカ大統領補佐官やクシュナー上級顧問らも同行し、異例の厚遇が提供されていることは間違いありません。この厚遇は、米英同盟の強固さを示すものとして、注目を集めていることでしょう。

一方、市民レベルでの反発は収まらず、翌4日にはロンドンで大規模デモが計画されているほか、英国各地で反トランプ集会が開催される見通しです。集会を主催する反トランプ派からは、「彼は世界で最も人種差別的で、戦争を好み、女性を軽視する人物だ」といった厳しい批判の声も上がっています。2003年にジョージ・W・ブッシュ元大統領が国賓として訪英した際にも、イラク戦争反対を訴えるデモがあり、10万〜20万人が参加しましたが、今回はそれに匹敵する規模となる可能性が高いと報じられています。

この反発は政治の場にも波及しており、野党・労働党のジェレミー・コービン党首や自由民主党のヴィンス・ケーブル党首は、大統領の人種差別的な言動などに同意できないとして、3日の晩餐会を欠席する意向を示しました。また、2011年のバラク・オバマ前大統領の国賓訪問時には行われた英議会での演説も、今回は予定から外されています。これらの動きは、英国の政界においても大統領の存在を巡る意見の対立が顕著であることを示唆していると私は考えます。

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政策面で顕在化する米英間の亀裂

両国間の政策面における立場の違いも、今回の訪問で大きな焦点となっています。特に目立っているのは、次世代通信規格「5G」と対イラン政策を巡る問題です。アメリカは、中国の通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)が安全保障上の脅威となるとして、同盟国に対し5G分野から排除するよう強く求めています。これに対しイギリスは、現行の4Gネットワークで既にファーウェイ製品を採用している経緯もあり、5Gにおいても中核以外のネットワークでの同社の参入を容認する姿勢を示しているのです。

アメリカは、もしイギリスがファーウェイ製品を使用するならば、安全保障関連の米英間の情報共有を縮小する可能性をも示唆しており、これは非常に露骨な圧力と言わざるを得ません。また、イランを巡る問題でも、アメリカが核合意の破棄を表明して経済・軍事両面での圧力を継続しているのに対し、イギリスは核合意の維持を通じて関係悪化の回避を模索する立場を取っており、同盟国であるにもかかわらず、その連携の揺らぎは隠せない状況です。

トランプ大統領が、訪問前に英紙とのインタビューで、次期首相の有力候補であるボリス・ジョンソン前外相やブレグジット党のナイジェル・ファラージ党首といった強硬離脱派を公然と支持する発言をされたことも、英国内で「不作法だ」との声が上がるなど波紋を広げています。トランプ大統領の関心は、既に退陣を表明しているメイ首相ではなく、早期の欧州連合(EU)からの離脱、つまりブレグジットを推し進める次期政権に移っていると見るのが自然でしょう。

私は、戦後から長きにわたり謳われてきた米英の「特別な関係」が、今、経済、安全保障、そして政治的な価値観という、あらゆる面できしみを始めていることを強く感じます。この国賓訪問は、両国間の友好関係を再確認する機会であると同時に、抱える問題の深刻さを浮き彫りにする場にもなっていると結論づけられるでしょう。

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