行政手続きの完全オンライン化を目指す政府の動きが加速しています。その大きな転換点として今、私たちが長年親しんできた「ハンコ文化」の抜本的な見直しが迫られているのをご存じでしょうか。インターネット上のSNSでも「手続きが楽になるなら大歓迎」「長年の習慣を変えるのは業務効率化のために不可欠だ」といった前向きな声が溢れており、多くのビジネスパーソンがこの変革に高い関心を寄せています。
実は、印鑑証明書を提出しなければならない行政手続きは、現在でも100種類以上存在しているのが実情です。これらはインターネット上で本人確認を行う「電子証明書」というデジタル技術で代用できますが、残念ながらこれまでは活用があまり進んでいませんでした。民間企業同士の契約書でも依然として押印が求められるケースが多く、2018年には法人の印鑑証明書が年間で約1300万件も発行されるなど、紙とインクへの依存が続いています。
こうした状況を打破するため、政府は2019年12月に「デジタル・ガバメント実行計画」を策定しました。これは行政のデジタル化を強力に進めるための国家戦略であり、印鑑証明書の提出省略や、代わりとなる電子証明書の普及を明記しています。さらに商業登記法の改正により、法人登記の際に義務付けられていた代表者の印鑑届け出が任意となりました。この改正法は2021年2月までに施行される見通しとなっています。
根強い押印習慣を打破しデジタル社会へ舵を切るために
日本には「正式な重要書類は紙に印鑑を押して保管するもの」という固定観念が根強く残っています。しかし、世界的なデジタル化の潮流から見れば、この慣習が業務効率化の大きな足かせになっていることは否定できません。東京大学の白石忠志教授をはじめとする専門家も、社会全体でこの仕組みをどう変えていくか、真剣に議論すべきだと提唱しています。私たちは単に手続きをデジタルに置き換えるだけでなく、意識そのものを変革すべきでしょう。
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