アメリカの株式市場が揺れています。2020年01月27日の米国株式市場は、世界中を震撼させている新型肺炎のニュースで一色となりました。ダウ工業株30種平均の下げ幅は一時500ドルを超え、久々の大幅な調整局面を迎えています。
SNS上でも「ついに株価の調整が来たか」「新型肺炎の影響がどこまで広がるか不安」といった声が相次ぎ、緊張感が高まっている状況です。一方で、市場関係者からは「これは絶好の押し目買いのチャンスだ」という強気な意見も上がっており、投資家の心理は複雑に交錯しています。
今回の下落は、一本調子で上昇を続けていた市場への警告と言えるでしょう。ダウ平均は5営業日続落となり、これは2019年08月以来の長さです。下落幅も2019年10月以来の大きさを記録しており、投資家たちが異変を察知し始めているのは間違いありません。
市場の関心は、今後の世界経済へのダメージです。2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)のように、いずれ収束して相場は回復に向かうという楽観論もあります。FRB(米連邦準備理事会)が金融緩和を続ける限り、相場は大きく崩れないという見立てが根強いのも事実です。
しかし、私は今回の事態を甘く見るべきではないと考えます。現代のグローバルサプライチェーンは2003年当時よりも複雑に絡み合っており、特に中国への依存度が高い企業が受ける打撃は計り知れません。その試金石となるのが、テクノロジー大手のアップル社です。
アップルは売上高の約17%を中華圏に依存しています。さらにiPhoneなどの主力製品の生産や部品調達も中国に大きく頼っているため、新型肺炎の問題が長期化すれば、生産と販売の両面で深刻な影響を受けることは避けられないでしょう。
現に2020年01月27日の市場で、アップル株は一時4.2%安と急落しました。これは2019年08月以来の下落率です。背景には、アップル製品の製造を請け負うEMS(電子機器の受託製造サービス)大手の鴻海精密工業が、工場の稼働再開を延期したというニュースがあります。
こうした製造ラインの停滞は、企業の業績に直結する死活問題です。アップルは2020年01月28日に決算発表を控えており、直近の業績は好調と見込まれていますが、市場の視線はすでに2020年01月から03月期の業績見通しへと向かっています。
もし経営陣が新型肺炎のリスクを警戒する発言をすれば、株価はさらに神経質な動きを見せるでしょう。アップル株の動向は市場全体のバロメーターです。投資家は目先の株価に一喜一憂せず、サプライチェーンの正常化を見極める冷静な視点が求められます。
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