北海道の暮らしを支える生活協同組合「コープさっぽろ」が、大きな変革の舵を切っています。2019年は消費税率の引き上げもあり、流通業界全体にとって非常に厳しい1年となりました。大見英明理事長は、若い世代の節約志向や高齢者の買い物回数の減少により、既存店舗の客数が減少したと分析しています。ネットのSNS上でも「最近は少しでも安いお店をハシゴすることが増えた」という声が目立ち、生活者の防衛本能がリアルに浮き彫りになりました。
さらに世帯構造の変化も、業績に影響を与えているようです。現代は一人暮らしや共働き世帯が急増しており、従来のファミリー層をメインとしたスーパーのビジネスモデルでは、時代のニーズとズレが生じ始めています。これまでの成功体験に捉われず、スピード感を持って変化に対応することが、今まさに求められているのでしょう。
単身世帯の心を掴む!鍵を握る「総菜」の進化と宅配の工夫
コープさっぽろが目指す2020年の起死回生策、その中心にあるのが「総菜の強化」です。一人暮らしの方でも気軽に無駄なく購入できるよう、商品の小分け包装を徹底していく方針が示されました。調理の手間を省きたいという需要は、想像以上に高まっていると感じます。
ここで注目したいのが、料理にかかる時間を短縮する「時短ニーズ」への対応力です。週に1回届けられる便利な宅配事業においても、個包装の商品を数個セットにして展開するなど、単身者が使いやすい工夫を凝らすといいます。SNSでは「1人分だと食材を余らせがちだから、小分けの総菜が増えるのは本当にありがたい」といった期待に満ちた投稿が数多く寄せられていました。
地域のインフラとしての責務と北海道の未来に向けた課題
人口減少や少子高齢化が深刻化する北海道において、コープさっぽろが果たすべき役割は日増しに大きくなっています。買い物困難者が増え続ける地域において、生活の生命線であるライフラインとしてのインフラ(社会基盤)を維持することは、もはやこの組織の大きな責務といえるでしょう。単に商品を売るだけでなく、地域住民がその土地で安心して暮らし続けられる環境を整える姿勢には、深い感銘を覚えます。
一方で、北海道の経済基盤に対する危機感も示されました。大見理事長は、農業において「6次化」をもっと推し進めるべきだと強く主張しています。6次化とは、農林漁業者(1次産業)が自ら加工(2次産業)や流通・販売(3次産業)まで一体的に手がけ、農産物に高い付加価値を生み出す取り組みのことです。単なる原材料の供給地に留まるのではなく、地域内で利益を生む仕組みを作らなければ、人口流出の波は止められないという指摘は非常に本質的ではないでしょうか。
地域社会の再生へ向けたトップランナーの決意
自治体との連携を深めるため、コープさっぽろは地域政策室を立ち上げ、この1年半で約100もの市町村を精力的に巡っています。そこで見えてきたのは、未来のビジョンを描ける人材の不足という、地方が直面するシビアな現実でした。地域が生き残るための戦略を共に練り直すというアプローチは、小売りチェーンの枠を超えた社会貢献活動です。2020年1月16日のインタビューで見せた大見理事長の強い決意は、これからの北海道を明るく照らす光になるに違いありません。
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