大川秀雄氏が語る丸山暉彦氏との絆!排水性舗装と流体力学が起こした路面技術のイノベーション

大学時代に誰もが出会う、強烈な個性を放つ先輩の姿はいつまでも心に残るものです。新潟工科大学の学長を務める大川秀雄氏にとって、それは東京工業大学土木工学科の2期先輩にあたる丸山暉彦氏でした。冬になればスキー場にこもりきりで大学には滅多に姿を現さないという、まさに豪快な兄貴分だったそうです。「その分、夏に猛勉強している」と豪語する丸山氏は、後に「排水性舗装」の第一人者として長岡技術科学大学の名誉教授になられるほどの、凄まじい集中力を持った天才肌の研究者でした。

この丸山氏が専門とする排水性舗装とは、雨水がしみ込みやすい隙間の多いアスファルトを使用し、路面の水たまりや水しぶきを劇的に減らす技術です。SNSでも「雨の日の高速道路で水しぶきが上がらないのはこの技術のおかげか!」「私たちの安全を守る隠れた大発明」と、その実用性の高さに多くの驚きと感謝の声が寄せられています。大川氏が大学院を修了し、新潟大学工学部の助手として歩み始めた数年後、新設された長岡技術科学大学に丸山氏が赴任したことで、2人の運命は再び交錯することになります。

ある日の酒席で、丸山氏は「舗装のプロは全国に数あれど、水の動きに精通した人間がいない」と切り出し、「流体力学に詳しいお前が研究を手伝え」と大川氏を誘いました。流体力学とは、水や空気などの「流体」が引き起こす運動や力の変化を解き明かす学問のことです。雨水を効率よく排出する路面開発には、この水の動きを計算する視点が不可欠でした。先輩の豪快な誘いに大川氏も快諾し、水を通す特殊な「ポーラスアスファルト」の共同研究グループへと加わることになります。

私はこのエピソードから、優れたイノベーションは異なる専門知の幸福な融合から生まれるのだと強く実感させられます。2ヶ月に1度の過酷な成果発表やテストコースでの実験は、大川氏にとって研究者としての視野を広げる最高の経験となりました。まさに丸山氏は、大川氏の人生における温かい「お目付け役」だったと言えるでしょう。2020年01月17日現在、丸山氏は大阪の舗装関連会社で顧問を務めており、2020年01月下旬に開催される東工大の同窓会での再会を、大川氏は心から心待ちにしています。

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