日本の半導体業界に大きな激震が走っています。東芝が仕掛けた上場子会社「ニューフレアテクノロジー」へのTOB(株式公開買い付け)が、2020年1月16日にいよいよ成立する見通しとなりました。TOBとは、企業の支配権を握るために価格や期間を公表して市場外で株を買い集める手法を指します。この大勝負の行方に、多くの投資家や業界関係者が固唾を飲んで見守っていました。
勝負の分かれ目となったのは、ニューフレアの第2位株主である東芝機械の動向です。同社が東芝の提示した条件に同意し、保有株を売却する意向を表明したことで、買い付けの成功に必要な条件を一気にクリアしました。これにより東芝は、ニューフレアを完全にグループへ取り込む完全子会社化の手続きへ前進することになります。ネット上でも「ついに決着か」「グループの再編が加速する」と大きな話題を呼びました。
事の発端は2019年11月13日に、東芝が1株あたり1万1900円での買い付けを発表したことにあります。しかし、ここに光学機器大手のHOYAが待ったをかけました。東芝を1000円も上回る1万2900円という高額な条件で、敵対的とも言える対抗TOBをぶち上げたのです。この想定外の奇襲により、東芝は買い付け期限を2020年1月16日まで延長せざるを得ない異例の展開へともつれ込んでいました。
すでにニューフレア株の約52%を握っている東芝にとって、今回のTOB成立には残り約14%の積み増しが必要不可欠でした。東芝機械の協力によって、重要議案を単独突破できる3分の2以上の議決権を確保できる見込みです。親子上場の解消やグループシナジーの強化を目指す東芝にとって、今回の防衛戦の勝利は極めて大きな意味を持ちます。高度な半導体製造技術を守り抜いた形と言えるでしょう。
SNSや株式市場では「HOYAのプレミアム価格でも動かなかった東芝機械の絆が強い」「TOB不成立を見越して動いていたHOYAはどう出るのか」といった、驚きと今後の展開を予想する声が溢れています。価格の優位性よりも、これまでの企業間連携や将来の事業展開を優先した結果と言えますが、これほどドラマチックな買収劇は近年稀に見るレベルです。メディア編集部としても、この迅速な決断には目を見張るものがあります。
完全子会社化への道筋が見えた東芝ですが、これで完全に幕引きとはならない可能性も残されています。なぜなら、より高い価格を提示していたHOYAが、今後どのようなアクションを起こすのかが依然として不透明だからです。条件の再見直しや新たな戦略の提示があるのか、その動向から目が離せません。日本の半導体製造装置分野の未来を左右するこの戦いは、新たな局面を迎えたと言えるでしょう。
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