アメリカ最低賃金引き上げ2020年最新情報!全米半数の州で実施される背景と企業・暮らしへの影響を徹底解説

アメリカで、労働者の暮らしを大きく変えるビッグウェーブが押し寄せています。2020年中に、全米の約半数にのぼる24の州で最低賃金が引き上げられることが決定いたしました。このような大規模な一斉改定は、2008年のリーマン・ショック以来の出来事となります。今回の施策により、約700万人もの労働者が恩恵を受けると試算されており、SNSでも「ついに生活が楽になる」「歴史的な一歩だ」と歓喜の声が次々と上がっている状況です。

この動きを牽引しているのは、深刻な「人手不足」にほかなりません。現在のアメリカは、約50年ぶりとなる歴史的な低失業率を記録しており、働きたい人が仕事を見つけやすい状況が続いています。企業側としては、給与を高く設定しなければ優秀な人材を確保できないため、結果として低所得層の給与水準が底上げされているのです。19年12月のデータでは、低所得層の賃金上昇率が高所得層を大きく上回る結果も出ています。

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国に先駆ける自治体の決断と背景にある物価高騰

実は、アメリカの連邦政府が定める最低賃金は、2009年以降、時給7.25ドルのまま動いていません。これに対して野党である民主党が主導し、将来的に時給15ドルまで引き上げる法案を下院で可決したものの、上院での審議はストップしています。しかし、生活の現場では消費者物価指数(CPI:消費者が購入するモノやサービスの価格の動きを数値化したもの)が3年連続で2%を超えて上昇しており、暮らしへの負担は増すばかりでした。

さらに、都市部の住宅価格はこの10年間で50%以上も跳ね上がり、医療費の負担も重くなっています。こうした国の遅れや生活費の高騰に対して、カリフォルニア州やマサチューセッツ州などの各自治体が先手を打つ形で、2020年01月からいち早く賃上げに踏み切りました。また、ネバダ州など一部の地域でも2020年後半に向けて準備が進められています。引き上げ幅は地域ごとに異なりますが、概ね1%から8%程度となる見通しです。

景気拡大への期待と企業のコスト負担という課題

編集部としては、この賃上げがもたらす経済の好循環に強く期待しています。最低賃金が10%上がると地域の消費額が押し上げられるという研究結果もあり、お金が回ることで食料品店などの売り上げも伸びるでしょう。生活に余裕が生まれれば、日々の食の質を高めることも可能になります。労働者が安心して働ける環境を整えることは、長期的に見れば社会全体の活気につながるため、今回の動きは非常にポジティブな変化であると考えます。

しかし、企業の経営面から見ると手放しでは喜べない側面もあります。人手を確保するために給与だけでなく福利厚生も手厚くしているため、企業の負担を示す「雇用コスト指数」は上昇傾向にあります。人件費の急激な高騰は、企業の利益を圧迫し、将来への投資を控える原因にもなりかねません。経済学者の間では2020年中に失業率がさらに下がると予測されており、労働者の生活改善と企業のコスト負担のバランスが今後の鍵を握りそうです。

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