企業が社員を守る!風疹の企業防衛に学ぶ、キャタラーの神対応と迅速なワクチン集団接種の全貌

日本国内で風疹の感染拡大が懸念される中、自動車用触媒のグローバル企業であるキャタラー(静岡県掛川市)による画期的な感染症対策が、今まさに医療界から熱い視線を浴びています。一見すると一般企業と感染症対策は結びつきにくいかもしれません。しかし、2015年4月に社内でたった1人の風疹患者が確認された瞬間から始まった同社の迅速なアプローチには、現代のすべての企業が危機管理として見習うべき重要なエッセンスが凝縮されています。

東日本大震災の発生をきっかけに、災害や緊急事態が発生しても事業を継続するための仕組みである「BCM(事業継続マネジメント)」に注力してきた同社は、1例の発生を決して軽視しませんでした。SNS上でも「たった1人でここまで動ける企業は素晴らしい」「社員を本気で守る姿勢に感動した」といった驚きと称賛の声が多数上がっています。同社がまず着手したのは、徹底的な行動履歴の調査、全社員への迅速な情報共有、そして妊婦とそのパートナーへの手厚い保護でした。

風疹は特有の発疹や発熱を伴う感染症ですが、大人がかかると軽症で済むことも多く、本人が気付かないケースも珍しくありません。しかし、最も恐ろしいのは妊娠初期の女性への感染です。お腹の赤ちゃんに感染すると、難聴や心疾患、白内障などの障害を引き起こす「先天性風疹症候群(CRS)」という深刻な事態を招く危険性があります。同社の保健師は、このリスクを社員に「自分事」として捉えてもらうため、家族や同僚への影響を交えて平易に解説しました。

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感染力の脅威に立ち向かう!全社を挙げた2次感染ブロックへの挑戦

風疹の感染力はインフルエンザの数倍とも言われており、非常に強力です。キャタラーではマスク着用を義務付け、社内行事の中止やテレビ会議への切り替えを徹底しました。さらに、妊娠中の社員やそのパートナーには、有給の「公休」扱いとして出勤を免除する大胆な社内規則の変更まで実施したのです。ここまで徹底した防壁を築いたものの、最初の発症から約2週間後、無情にも3人の2次感染者が確認される事態へと直面します。

事態は一刻を争う局面に突入しました。通常、風疹の予防は、血液中に対象のウイルスと戦う準備ができているかを調べる「抗体検査」を先に行い、数値が低い人にだけワクチンを打つという2段階のステップを踏みます。しかし、同社はさらなる拡大を防ぐため、検査を挟まずにダイレクトにワクチンを接種する決断を下しました。社内に医療施設がないというハンデを乗り越えるため、地域医療と連携した驚くべきスピード作戦が始まります。

同社は業務時間内にワクチンを接種できるよう、近隣の3つの病院へ向かう貸し切りバスを1日2回運行させました。さらに、1週間限定でオフィスに医師を招き、社内で直接接種が受けられる体制を構築したのです。費用の7割を会社がバックアップしたことで、社員の自己負担は3000円に抑えられました。この結果、約500人が接種を受け、社内のワクチン接種率は従来の27%から92%へと急上昇を遂げたのです。

終息後も途切れない継続対策と、これからの時代に企業が果たすべき役割

この超迅速な対応により、2015年5月の大型連休明けに1人の3次感染者が確認されたのを最後に、社内での感染は見事にストップしました。同年6月には無事に終息宣言が出され、平時の業務体制へと戻っています。しかし、同社が医療従事者から真にリスペクトされている理由は、この奇跡的な封じ込め劇の「その後」にあります。危機が去った後も、キャタラーの感染症に対する防衛策は現在進行形で進化を続けているのです。

同社では2015年以降も、新入社員や中途採用者へワクチン接種を推奨し続けています。日本中で風疹が再び猛威を振るった2018年には、全社員を対象に再調査を実施しました。そこで抗体が十分にない可能性が浮上した328名に対し、業務時間内の社内接種を行い、その費用はなんと会社が全額負担したのです。2019年度の10月にも、インフルエンザの予防接種のタイミングに合わせ、本社と磐田市の研究センターで同様のサポートを行っています。

現在、中国の武漢市から広がっている新型コロナウイルスによる肺炎のニュースが世界を震撼させており、未知の疫病への恐怖が社会を覆っています。もちろん風疹と新型肺炎ではウイルスの性質が異なりますが、感染症という見えない脅威から組織と社員を守るための原則は同じです。企業の社会的責任(CSR)が問われる今、キャタラーが見せた「社員の健康への投資は惜しまない」という強い意志と迅速な行動力は、すべてのリーダーが今すぐ学ぶべき教科書だと言えるでしょう。

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