インターネット上で「個人の価値」をトレードするという、かつてない斬新な仕組みで一世を風靡したSNS「VALU」が、その歴史に幕を閉じることが明らかになりました。運営元である株式会社VALUは、2020年3月末をもってサービスを完全に終了すると発表したのです。これに伴い、ユーザーの間で取引されていた独自トークン「VA」の売買は、2020年3月2日を期に停止されるスケジュールとなっています。
VALUが提供していたシステムは、個人がまるで株式会社のように独自の価値を発行し、それを資金調達やファンとの交流に役立てるという画期的なものでした。応援したいユーザーは、代表的な暗号資産である「ビットコイン」を使って「VA」と呼ばれる模擬株式のような単位を購入します。このVAは自由に転売することが可能で、発行した個人の人気や注目度に応じて、本物の株価のように価格が日々激しく変動するスリリングな仕組みが特徴です。
暗号資産とは、インターネット上で電子的に取引される決済手段のことで、政府が価値を保証する法定通貨とは異なり、ブロックチェーンという暗号技術を用いて安全性が保たれています。VALUは2017年にベータ版を公開して以来、インフルエンサーやクリエイターの新しい資金調達の形として熱い視線を集めてきました。しかし今回の幕引きについて、運営元は「仮想通貨を取り巻く法規制の強化への対応が困難になった」と、苦渋の決断だった背景を語っています。
この突然の撤退発表を受けて、SNS上では「ひとつの時代が終わった」「個人のクリエイターを支援する夢のあるプラットフォームだっただけに本当に寂しい」といった、終了を惜しむ声が相次いで投稿されました。その一方で、「投機的な側面が強すぎたため、法規制が入るのは避けられなかったのではないか」という冷静な分析も見られます。このようにネット上では、その先進性を称賛する意見と、市場の健全性を懸念する声が入り混じり、大きな議論を巻き起こしました。
編集部の視点として、VALUが提示した「個人の価値を可視化して応援する」というコンセプトは、現代の評価経済を先取りした非常に素晴らしい挑戦であったと感じます。しかし、暗号資産の悪用を防ぐための法整備が世界中で急速に進むなかで、新興のベンチャー企業が厳格なコンプライアンス(法令遵守)の壁を乗り越えることは、想像以上に困難だったのでしょう。画期的なアイデアであっても、時代のルールと調和していく難しさを痛感させられる出来事です。
なお、VALUを利用していたユーザーに対しては、預かっている暗号資産の返却手続きが2020年3月末日までに順次進められる予定となっています。返却プロセスや今後の詳細なアナウンスについては、運営からの公式情報を注意深く確認することが大切です。素晴らしい挑戦を見せてくれたVALUの終了は残念ですが、彼らが蒔いた「個人をエンパワーメントする」という思想は、形を変えて次の世代のサービスに受け継がれていくに違いありません。
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