次世代の通信規格「5G」の本格的な商用化を目前に控え、インターネットの世界は大きな転換期を迎えています。超高速で大容量、そして通信のタイムラグがほとんどない低遅延が期待される5Gですが、実はその恩恵を受けられるのはスマートフォンと基地局を結ぶ「無線区間」だけだという懸念をご存知でしょうか。情報をやり取りする大元のネットワークである基幹網(コアネットワーク)の速度が追いつかなければ、せっかくの5Gも宝の持ち腐れになってしまう恐れがあるのです。
こうした通信のボトルネックを解消する存在として、今まさに世界中から熱い視線を浴びている企業があります。それが、インターネット上に高速データ配信用の専用バイパスを構築している米アカマイ・テクノロジーズです。同社の日本法人で舵を取る山野修社長は、5G時代における自社の役割と強みについて自信をのぞかせます。ネットの混雑を回避し、ユーザーへ快適な環境を届ける同社の取り組みは、SNS上でも「5Gの課題を的確に解決してくれる」「今後のインフラに不可欠だ」と大きな反響を呼んでいます。
時代が追いついた!アカマイが誇る分散処理の圧倒的パワー
アカマイは2020年01月17日の時点で、世界中に約4000カ所の拠点と26万5000台ものサーバーを配備しています。これは大手クラウド事業者のデータセンターが約100カ所であることと比較しても、圧倒的な規模と言えるでしょう。同社は1998年の創業当時から、ネットの発展にはデータを1カ所に集めず分散して処理することが必要だと見抜いていました。この思想こそが、現代のIT業界で最重要トレンドとなっている「エッジコンピューティング」の原点です。
エッジコンピューティングとは、ユーザーの物理的な近く(エッジ=端)にあるサーバーでデータを素早く処理する技術を指します。これにより、中央のデータセンターまで往復する時間を省き、劇的な高速化と通信の遅延防止を実現できる仕組みです。山野社長が「時代がアカマイに追いついてきた」と語るように、かつてデータ配信の専門企業として知られた同社は、今やこの仕組みを活用して高度なセキュリティなども提供する多機能なプラットフォームへと進化を遂げました。
5Gの盾となる「26万人のガードマン」と激化する覇権争い
5Gの普及によって大容量の動画視聴などが爆発的に増えても、携帯各社の基幹網の中にアカマイのエッジを組み込めば、スムーズでストレスのない映像体験が可能になります。さらに、複数のクラウドサービスを併用する企業が増える現代において、同社のネットワークは強力な防壁としても機能します。個別にセキュリティ対策を行うと管理が煩雑になりますが、アカマイなら脅威がクラウドに到達する手前で防御できるため、まさにネット上に26万人のガードマンがいるような安心感をもたらすのです。
現在、エッジコンピューティングの世界では米アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)などのメガクラウド勢や、新規参入する楽天といった通信キャリアが入り乱れ、主導権争いが激化しています。しかし、インフラの真の価値は単なる処理速度だけでなく、安全にデータを送り届ける信頼性にあります。長年培った分散技術と堅牢なセキュリティを兼ね備えるアカマイは、混迷を極める5G時代の競争において、間違いなく業界をリードするもっとも有力な羅針盤となるでしょう。
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