トップの決断には、時に大きな驚きと財産がついてくるものなのかもしれません。大和証券の鈴木茂晴氏は、社長就任後すぐに老朽化した本社の移転を決意しました。先輩役員からの猛反対を受けながらも、4つのビルに分散していた本社機能を集約するため、2020年01月25日の時点で東京駅至近の最新ビルへの移転を敢行したのです。ネット上では「分散したオフィスをまとめる有能な経営判断」「大反対を押し切る行動力が素晴らしい」と、その決断力を称賛する声が数多く上がっています。
この大規模なオフィス移転に先立ち、社内ではある一大プロジェクトが極秘裏に進められていました。それが、社内に眠る膨大な美術品の「棚卸し(たなおろし)」作業です。棚卸しとは、会社が保有する資産の現状を正確に把握するために、実物を一つずつ確認して台帳と突き合わせる重要な手続きを指します。大和証券には数多くの貴重な芸術品が遺されていましたが、専門家を招いて本格的に調査をしてみたところ、驚くべき歴史的価値を持つ名作が次々と姿を現すことになりました。
教科書でお馴染みの名画や最高峰のピアノが社内に!驚きの資産価値
美術の専門家が調査を進めると、誰もが驚く発見が相次ぎました。なんと、教科書でも有名な岸田劉生氏の「麗子像」シリーズの一つである「住吉詣(すみよしもうで)」という貴重な絵画が社内で確認されたのです。さらに、梅原龍三郎氏の手による見事な屏風(びょうぶ)も見つかりました。この屏風はこれまで新年会などで飾られていましたが、専門家から「素手で触るのは絶対に変色を招くので厳禁です」と目から鱗の指摘を受け、慌てて手袋を着用するようになったという微笑ましい舞台裏も明かされています。
驚きは絵画だけにとどまりません。社内の資産台帳に記載されていたものの、研修所に長年放置されていた世界最高峰のグランドピアノ「スタインウェイ&サンズ」の現物も無事に救出されました。一時は安値で売却されそうになっていたものを鈴木氏が阻止し、綺麗に修復した上で本社の応接フロアに見事に蘇らせています。SNS上では「大和証券の資産規模が凄すぎる」「スタインウェイを売り払わなくて本当に良かった」といった、一連の贅沢なエピソードに対する驚きの声が溢れています。
多摩の倉庫から出現!太陽の塔のルーツとなった岡本太郎のタイル画
一連の棚卸し作業の中で、どうしても行方が分からず、社内で捜索が続いていた幻の逸品がありました。それが、巨匠・岡本太郎氏が手掛けた貴重な「タイル画」です。諦めかけたその時、ベテランの総務部員が多摩の研修所倉庫にある、ひときわ大きく重い謎の箱の存在を思い出しました。積もった埃を払い、丁寧に包みを開けてみると、そこから現れたのは「太陽の神話」というタイトルの壮大な作品でした。これは、1970年に開催された大阪万国博覧会の象徴「太陽の塔」のルーツになったとみられます。
この世紀の大発見に対し、ネット上では「倉庫から岡本太郎が出てくるなんてロマンがありすぎる」「太陽の塔の原点が眠っていたなんて鳥肌もの」と、アートファンの間で大きな反響を呼んでいます。奇跡的に発見されたこの大作は、現在も大和証券本社の17階受付から18階ホールへと向かうエスカレーターの先に堂々と飾られており、会社の新しい象徴となっています。過去の遺産をただ眠らせるのではなく、現代のオフィスに生かす姿勢は企業のブランディングとしても非常に見事です。
統一感なき至高のコレクションが教えてくれる企業の歴史と未来
鈴木氏はこの棚卸しを機に美術品への造詣を深め、名古屋支店の支店長室に飾られていた絵画が3000万円相当の価値があると見抜くほどになりました。鈴木氏はこれらの名作を美術館に預けて「大和証券コレクション」として展示する計画も一時考えたそうです。しかし、葛飾北斎からシャガールまで網羅したあまりに幅広いラインナップは、展示する側も持て余すほどの多様性に満ちており、統一感がないという理由で断念されました。ですが、私はこれこそが企業の歩んできた豊かな歴史の証明であると考えます。
時代の変化に合わせて事業を拡大してきた企業だからこそ、集まった美術品のバリエーションも多種多様になるのは当然でしょう。統一感のなさは、むしろ大和証券が様々な時代や文化を柔軟に受け入れてきたという、懐の深さの表れではないでしょうか。価値ある文化財を保護し、オフィスの日常に溶け込ませる試みは、働く社員の感性を刺激し、未来の新たなアイデアを生み出す素晴らしいきっかけになるはずです。これら至高のアートたちが、今後の会社の発展を温かく見守ってくれるに違いありません。
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