医療現場の常識を覆す、画期的なイノベーションが誕生しました。横浜市に拠点を置く半導体開発のトップランナー「ソシオネクスト」が、驚くほどコンパクトな超音波診断装置を開発したのです。2020年01月17日、同社初となる医療機器の販売がいよいよ開始され、業界内では早くも大きな注目を集めています。大規模集積回路、いわゆるLSIの開発で培った高度な技術を存分に注ぎ込んだこの製品は、これからの医療のあり方を大きく変える可能性を秘めているでしょう。
超音波診断装置とは、人間の耳には聞こえない高い周波数の音波を皮膚の上から体内に放ち、跳ね返ってきたエコーを解析して内部の様子を映像化する仕組みを持っています。一般的にはエコー検査として広く知られており、放射線による被ばくの心配がないため、妊婦さんの健診をはじめ様々な診断で重宝されてきました。SNS上でも「エコーが手軽に使えるようになれば、病気の早期発見につながりそう」「これなら往診の先生も大助かりだね」といった期待に満ちた声が多数寄せられています。
病院で見かける従来の据え置き型装置は、重さが70キログラムを超えるものが大半でした。高い画質を追求するほど機器は大型化しやすく、1千万円を上回る高額な費用も重なって、地方の診療所や個人のクリニックでは導入が難しいという課題があったのです。また、その重さゆえに患者さんの自宅へ持ち運ぶことは現実的ではありませんでした。そんな医療格差とも言える状況を打破するために生まれたのが、今回登場したハンディー型装置「viewphii US(ビューフィー ユーエス)」です。
この新装置は、なんとわずか165グラムという驚異的な軽さを実現しています。ソシオネクストは、一つの半導体に膨大な機能を詰め込む専用LSIを新たに設計し、使用する部品の数を劇的に減らすことに成功しました。これにより、中型サイズに匹敵する鮮明な画質を保ったまま、ポケットに入るサイズへの小型化を成し遂げたのです。これほどの技術力があれば、将来的にはあらゆる医療機器のダウンサイジングが進み、私たちの健康を守る強力な味方が増えるに違いありません。
さらに、このデバイスは利便性にも徹底的にこだわっています。充電式で3時間以上の連続駆動が可能なうえに、Wi-Fi機能を内蔵したことでモニターとの間をつなぐ煩わしいコードを一切排除しました。撮影したリアルタイムの体内映像は、手元のタブレット端末へ瞬時にワイヤレス送信されます。コードレス化によって狭い車内や災害現場でも柔軟に動かせるため、緊急時の応急処置や、精密検査が必要かどうかの迅速な初期判断において無類の強みを発揮するでしょう。
2019年10月にはすでに薬事承認をクリアしており、販売価格は100万円以下に抑えられる見通しです。これなら予算が限られる地域の病院でも導入しやすく、救急車への常備や訪問診療での活用が現実味を帯びてきます。また同社は、次世代通信規格「5G」を活用し、遠隔地の専門医へ画像をリアルタイム伝送する構想も掲げています。ITを駆使した遠隔医療が普及すれば、地域による医療品質の偏りが解消され、より多くの命が救われる素晴らしい社会が実現するはずです。
もともと富士通とパナソニックのシステムLSI事業が統合して2015年に誕生した同社は、テレビや監視カメラ向けの映像技術で高い実績を誇ります。その「可視化」のノウハウを医療に転用した本プロジェクトは、日本のものづくりの底力を示す見事な一例と言えます。自社製品の普及を通じて、本業である半導体の受注拡大を狙うビジネス戦略も極めてスマートです。1万台という高い販売目標の達成に向け、この小さな装置が医療の未来を大きく照らし出すことを期待してやみません。
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