毎日の移動をもっとスマートに、そして快適に。JR東日本は2020年1月16日、東京都内を中心としたエリアで、新たな移動の形を提案する次世代交通サービス「MaaS(マース)」の実証実験を開始したことを発表しました。MaaSとは「Mobility as a Service」の略称で、電車やバス、タクシー、シェアサイクルといった複数の移動手段を一つのITサービスとして統合し、経路検索から決済までを一括で行えるようにする画期的な仕組みのことです。
今回の実験に向けて、同社は2020年1月16日から専用のスマートフォン向けアプリ「Ringo Pass(リンゴパス)」の配信をスタートさせました。このアプリが優れているのは、バラバラだった移動手段を手のひらの上で一つにまとめられる点にあります。これまでは個別のサービスごとに必要だった位置の確認や料金の支払いが、これからはスマートフォンが1台あれば、すべて完結する環境が整いつつあるのです。
特に注目したいのが、身近な移動の主役であるタクシーとの連携です。大和自動車交通や国際自動車、チェッカーキャブ無線協同組合といった大手各社とタッグを組み、東京23区や武蔵野市などで約9000台のタクシーが対応する見込みとなっています。アプリの地図画面上で、今どこをタクシーが走っているのかをリアルタイムで把握できるため、街中での捕まえやすさが劇的に向上するでしょう。
さらに決済の簡便さも魅力的です。タクシーから降りる際は、車内に設置された二次元コードをアプリで読み取るだけで完了します。あらかじめ登録しておいたクレジットカードから利用代金が自動で引き落とされるため、財布を出してお釣りを受け取るような手間が一切かかりません。ネット上のSNSでも「財布を持たずにタクシーや自転車をシームレスに乗り換えられるのは本当に便利そう」「移動のストレスが減る」と期待を寄せる声が目立っています。
シェアサイクルとの融合で生まれる新しい移動の選択肢
今回の取り組みでは、タクシーだけでなくシェア自転車との連携も大きな柱となっています。ドコモ・バイクシェアが運営するサイクルポートと連動し、都内をはじめ横浜市や広島市などのエリアに広がる約1万1100台の自転車が対象となりました。どこで自転車を借りられるのか、そしてそこには今何台の空きがあるのかがアプリの地図上で一目で分かるため、目的地までの「最後のラストワンマイル」を埋める強力な手段になります。
このニュースに接して、私は公共交通機関の王者がついに本気で「移動のシームレス化」に乗り出したと強く感じました。これまでは電車を降りた後のタクシーや自転車の確保は、完全にユーザー側の手間に委ねられていたからです。複数のアプリを使い分ける煩わしさから解放されることで、都市の移動における利便性は大きく飛躍するに違いありません。今回の実験を契機に、誰もが迷わずスムーズに移動できる未来が訪れることを心から望みます。
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