ついに運命の歴史的瞬間が訪れました。英国は2020年1月31日、欧州連合(EU)からの離脱を正式に果たします。しかし、これはゴールではなく、新たな試練の幕開けに過ぎません。今後の焦点は、両者の将来の結びつきを決める具体的な話し合いへと移っていくでしょう。
SNSでは「やっと離脱か」という安堵の声がある一方、「これからが本当の地獄では」と行く末を案じる投稿が相次いでいます。それもそのはず、貿易の決まり事である自由貿易協定(FTA)の締結をはじめ、課題が山積みだからです。
特に大きな障壁となるのが、医薬品の承認ルールや漁業権を巡る対立でしょう。現在のルールが適用される「移行期間」が終了する2020年12月31日までに決着しなければ、大変な事態に陥ります。残された時間は335日しかありません。
ジョンソン首相は「年末までにすべてを仕上げる」と強気な姿勢を崩しません。しかしEU側からは、この短い期間での合意を疑問視する声が噴出しています。一度決めたスケジュールを延長しない方針の英国に対し、世界中がハラハラしながら注目しているのです。
企業を悩ませる新たな規制の壁
英国は加盟国時代のメリットを維持しつつ、自国に有利な緩い規制を作りたい考えです。これに対してEUは「都合の良いとこ取りは絶対に許さない」と猛反発しており、両者の溝は深まるばかりでしょう。
さらに深刻なのが、病気の治療に不可欠な薬や化学物質の安全性基準に関する問題です。以前の計画ではEUの基準に合わせる方針でしたが、ジョンソン首相はこれを白紙に戻しました。独自の基準を模索する構えを崩していません。
独自の道を歩むとなれば、企業は英国とEUの双方の検査に対応せねばならず、莫大な追加コストを強いられる可能性があります。ネット上でも「薬の供給が滞ったらどうするのか」と、生活への直撃を不安視する声が目立っています。
さらに、日本との関係も見直しを迫られるでしょう。これまで恩恵を受けていた日欧の経済連携協定(EPA)が、移行期間の終了とともに英国に対しては効力を失うからです。2国間の新しい協定を急いで結ぶ必要があります。
編集部の視点:試される英国の覚悟
混迷を極めたブレグジットですが、筆者はこの決断が英国にとって大きな賭けになると考えています。独自のルールで競争力を高めるという戦略は理解できますが、あまりにも時間とマンパワーが足りていません。
EU側の交渉官が「合意がなければ崖っぷちに立つ」と警告するように、最悪のシナリオである「無秩序な離脱」のリスクは消えていないのです。足元では企業の景気が少し持ち直しているとはいえ、決して楽観視はできないでしょう。
世界経済を揺るがしかねないこの世紀の交渉劇から、一瞬たりとも目が離せません。英国が孤立の道を選んだ先に待つのは、栄光の再生か、それとも大混乱の未来か、私たちはその歴史の目撃者となっているのです。
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