北海道の美しい自然に囲まれた泊村に位置する、北海道電力の泊原子力発電所。その再稼働を巡る議論が、今まさに風雲急を告げています。2020年1月21日、地元の科学者たちが集う「行動する市民科学者の会・北海道」が驚きの記者会見を行いました。彼らは北電側が展開している独自の主張について、「完全に間違っている」と真っ向から反論したのです。エネルギー供給の要とも言える原発の安全性に直面し、多くの人々がその動向をハラハラしながら見守っていることでしょう。
今回の議論の中心にあるのは、敷地内を縦横に走る「F―1断層」と呼ばれる地層の割れ目です。本来、原子力発電所の安全を担保するためには、過去12万5000年前以降に動いた形跡がある「活断層(かつだんそう)」が近くに存在しないことが絶対条件とされています。しかし、会見に臨んだ斉藤海三郎代表と北海道大学の小野有五名誉教授は、この断層が比較的新しい時代に動いた可能性を「決して否定できない」と厳しく指摘しました。専門家の言葉には、住民の命を守るための強い覚悟が滲んでいます。
北電側はこれまで、約33万年前までに形成された上の地層にズレがないことを根拠に、断層の危険性を否定してきました。これに対し科学者の会は、地層の見方そのものに誤りがあると専門的な見地から切り込んでいます。この衝撃的なニュースはインターネット上でも瞬く間に拡散され、SNSでは「本当に安全対策は万全なのか」「専門家の意見を無視して進めるのは恐怖でしかない」といった不安の声が続出しました。企業側の説明だけでなく、第三者の厳しい目を入れる重要性が今こそ問われています。
私は、こうした科学的な論争を有耶無耶にしたまま再稼働の議論を急ぐべきではないと考えます。原発事故のリスクは一度発生すれば取り返しのつかない事態を招くからこそ、疑わしい部分は徹底的に究明されなければなりません。今回の詳細な調査結果は近く学会誌に掲載され、国の原子力規制庁にも提出される予定となっています。目先の利益や電力供給の都合だけでなく、未来の世代に安心できる社会を残すためにも、私たちはこの問題から目を背けずに注視していく必要があるでしょう。
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