北海道の積丹半島に位置する北海道電力の泊原子力発電所が、今まさに運命の分かれ道に立たされています。2019年11月15日、原子力規制委員会による異例の現地調査が行われました。猛烈な寒波が押し寄せる厳しい気象条件の中、北電のスタッフたちは地層が雪に隠れないよう懸命に清掃を行い、石渡明委員率いる調査団を迎え入れたのです。ここでの判断が、北海道のエネルギー供給の未来を大きく左右することになるでしょう。
今回の焦点は、敷地内を走る「F-1断層」が果たして活断層なのかという点に集約されています。原子力規制基準における「活断層」とは、およそ12万年から13万年前以降に動いた形跡があるものを指します。北電側は当初から「活断層ではない」と主張してきましたが、これまではその根拠となるデータが不足していると指摘され続けてきました。もし活断層だと認定されれば、再稼働への道は極めて険しいものへと変貌してしまいます。
SNS上では「冬の電力不足が心配だから早く結論を出してほしい」という切実な声がある一方で、「安全第一で徹底的に調査すべきだ」といった慎重な意見も飛び交い、議論が白熱しています。2013年7月の審査申請からすでに6年以上が経過していることもあり、道民の関心は非常に高まっています。他の原発が次々と審査を通過していく中で、泊原発だけが足踏みを続けている現状に対し、焦りや不安を感じるユーザーも少なくないようです。
「33万年」を証明できるか?科学的データが握る再稼働の行方
北電は2019年5月以降、地面を深く掘り進める大規模な追加調査を実施しました。その結果、断層の影響を受けていない上部の地層が「33万年前よりも古い」という新たな見解を示したのです。もしこれが科学的に証明されれば、断層が動いたのはそれ以前ということになり、活断層ではないことが確定します。11月15日の調査で規制委は一部の関連性を認めましたが、年代の特定については「さらなるデータが必要」との慎重な姿勢を崩していません。
今後は、採取された土や石の精密な分析結果が審査の行方を決定づけるでしょう。私は、この科学的なプロセスこそが、原子力発電に対する信頼を支える根幹であると考えます。エネルギー自給率の向上や電力価格の安定は社会にとって不可欠ですが、それはあくまで盤石な安全性が証明されて初めて成り立つものです。北電には、不透明な推測を排除し、誰もが納得できる客観的なエビデンスを提示し切る姿勢を期待してやみません。
厳しい経営環境に置かれている北海道電力にとって、今回の審査はまさに正念場といえる局面です。2019年11月26日現在、予断を許さない状況が続いていますが、冬の本格的な積雪期を前に、どこまで具体的な証拠を積み上げられるかが勝負となります。地域の安全を守ることと、安定したエネルギーを供給すること。この二つの重責を果たすための挑戦は、今この瞬間も現場で、そして厳しい審査の場において続けられているのです。
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