米軍横田基地をめぐる騒音問題に、新たな司法の判断が下されました。基地周辺に暮らす住民の方々約140人が、深刻な騒音被害への賠償や夜間・早朝における軍用機の飛行差し止めを国に求めていた「第9次横田基地公害訴訟」の控訴審判決が、2020年1月23日に東京高等裁判所で言い渡されたのです。
今回の判決で東京高等裁判所は、一審の判断を支持する形で、国に対して約1億1200万円の支払いを命じました。2018年11月に言い渡された一審の東京地方裁判所立川支部の判決では、約9500万円の賠償額だったため、今回はそこから増額された形となります。長年、爆音に悩まされてきた住民の苦痛が一部認められた格好です。
しかし、住民側が強く求めていた米軍機や自衛隊機の夜間・早朝における「飛行差し止め請求」、そして「将来分の被害への賠償」については、いずれも退けられる結果となりました。これは、過去の同種訴訟において最高裁判所が示した「第三者行為論」などの判断枠組みをそのまま踏襲したためです。
ここでいう「第三者行為論」とは、日本政府がアメリカ軍の運用を直接コントロールできる立場にないため、国を相手に米軍機の飛行差し止めを求めても裁判所はそれを強制できないという法理を指します。自衛隊機については、防衛相の行政権の行使にあたるため、民事訴訟で差し止めを求めるのは不適当であると判断されました。
この判決に対し、SNS上では「毎日安眠を妨害される住民の気持ちを思えば、飛行禁止が認められないのはあまりにも理不尽だ」といった同情の声が溢れています。その一方で、「国防や日米安全保障条約の重要性を考えれば、司法が軍の運用に介入できないのは当然の帰結だ」という現実的な意見も目立ちました。
筆者としては、法的な枠組みや安全保障の壁があるとはいえ、周辺住民が被っている心身の苦痛を金銭補償だけで解決し続けることには限界があると感じます。夜間の睡眠は人間の健康に直結する重要な要素であり、国は裁判の枠組みを超えて、アメリカ側と実効性のある騒音軽減対策を粘り強く交渉すべきではないでしょうか。
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