佐賀県玄海町の現職町長へ現金100万円が渡されていた問題で、新たな事実が発覚して波紋を広げています。福井県敦賀市に本拠を置く建設会社「塩浜工業」が、実は現町長だけでなく、岸本英雄前町長にも在任中に何度も接触していたことが2020年01月24日に明らかになりました。同町に位置する九州電力玄海原子力発電所の関連工事を狙った、極めて計画的な裏工作の可能性が浮き彫りになっています。
関係者の証言によると、塩浜工業は岸本氏の任期3期目にあたる2014年08月から4年間にわたり、挨拶を名目に複数回も近づいていたそうです。前町長自身は金品の受け取りを否定しており、内容は世間話程度だったと振り返っています。しかし同時に、企業側の狙いは原発工事の受注だったのだろうと推測しており、現職町長が安易に現金を受け取ってしまった行動に対しては「軽率だった」と厳しい苦言を呈しました。
九州電力の発表では、塩浜工業は1990年代に完成した玄海原発3号機および4号機の建設時に、下請け業者として従事した実績を持っています。さらに現在、玄海原発ではテロ対策として設置が義務付けられた「特定重大事故等対処施設」、いわゆる特重施設の建設が進められる予定です。これは大規模な航空機テロなどが起きた際、遠隔で原子炉の冷却を維持するための極めて重要で予算規模も大きな施設を指します。
今回の連続接触の背景には、この莫大な予算が動く特重施設の工事をなんとしても受注したいという、企業の強い思惑があったと見て間違いないでしょう。地方自治体のトップに狙いを定め、数年越しで関係性を築こうとする手法は、まさに計画的なロビー活動そのものです。クリーンであるべき原発インフラの裏で、このような不透明な動きが長年続けられていた疑惑は、地域の信頼を大きく揺るがす深刻な事態だと言えます。
このニュースに対し、SNS上では「また原発利権か」「前町長が断ったのに現町長がもらうなんて脇が甘すぎる」といった怒りや呆れの声が続出しています。さらに「特重施設の建設費は巡り巡って電気料金に上乗せされるのではないか」という、消費者目線での不安や監視の目を強める意見も多く見られました。エネルギー政策への不信感へと直結しかねないだけに、今後の徹底的な真相解明が強く望まれるところでしょう。
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