✅高い成立率95%の背景とは? 第198通常国会(2019年)の**「安全運転」な国会運営**を徹底分析!

2019年6月26日に閉幕した第198通常国会は、政府が提出した新規の法律案、すなわち閣法(かっぽう)の成立率が95%という高水準を達成しました。これは前年2018年通常国会の92%を上回る数字です。さらに、成立した政府提出法案のうち、なんと43%が衆議院本会議で全会一致で可決されています。この全会一致の割合は、前年比で8ポイントも高い結果となりました。

このような高い法案成立率と全会一致の増加は、同年7月に迫っていた参議院議員選挙を控え、政府・与党が国会運営において「安全運転」に徹したことが最大の要因と考えられます。具体的には、野党との対立が予想されるような対決法案の提出を意図的に絞り込む戦略を取ったため、穏やかな審議環境が保たれたのでしょう。平均で91%の成立率であった第2次安倍政権発足後7回の通常国会の中でも、この95%は3番目に高い成立率を誇っています。

この通常国会は2019年1月28日に召集され、会期延長もなく150日間で閉幕しています。提出された57本の政府提出法案のうち、幼児教育と保育を無償化するための改正子ども・子育て支援法をはじめとする54本が成立しました。一方、誇大広告で医薬品を販売した企業に多額の課徴金(かちょうきん)、つまり行政上の罰金を納付させることを可能にする医薬品医療機器法や、地域再生法などの改正案は、今国会での成立を見送り、次の国会以降に先送りされたのです。また、**人工知能(AI)**などの先端技術を活用した未来都市「スーパーシティ」の実現を目指す国家戦略特区法改正案は、成立に至らず廃案となりました。

法案の提出数を見ると、第2次安倍政権発足以降、過去6回の通常国会における新規法案の平均提出数は約70本でした。それに対し、今国会は57本と法案提出数を意図的に絞り込んでいることが明確です。この結果、成立した54本のうち23本が衆議院本会議で全会一致で可決され、比率は43%に達したのです。2018年通常国会では、野党の欠席を除いた全会一致の比率が35%でしたから、野党との大きな衝突を避け、多くの法案で合意形成が図られたことが伺えます。

全会一致で成立した法案の中には、親による子どもへの体罰を禁止する改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が含まれています。これらの法案は、衆議院での審議過程で野党が提案した内容の一部が取り込まれて修正された結果、与野党の垣根を越えた全会一致での可決に至りました。さらに、中央省庁などでの障害者雇用数水増し問題を受けて、再発防止策を盛り込んだ改正障害者雇用促進法も、同じく全会一致で成立しています。これらの法案に対するSNSでの反響は非常に大きく、「子どもの権利を守る重要な一歩だ」「水増し問題の再発防止に期待したい」など、与野党の修正や合意形成を評価し、法案の成立を歓迎する声が多く見受けられました。

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🤔野党の対応に体質の違いが鮮明に

各政党の賛否の動きを見ると、野党第一党である立憲民主党(立民)の法案への賛成率が74%であったのに対し、野党第二党の国民民主党は81%でした。立憲民主党が政権との対決姿勢をより強く打ち出す傾向にある一方で、国民民主党は「建設的野党」を掲げ、可能な限り政策的な協力を行う姿勢を示しており、両党の体質の違いが法案への対応からもはっきり見て取れるでしょう。

たとえば、幼児教育・保育を無償化する改正子ども・子育て支援法の審議では、立民と国民民主党は、待機児童問題が解消するまで無償化の実施を延期するという修正案を共同で提出しましたが、これは否決されました。その後、立民は政府案そのものに反対しましたが、国民民主党の幹部は「無償化を進めることには賛成」との考えを示し、政府案に賛成する対応に分かれたのです。与党側から見れば、国民民主党の柔軟な姿勢が法案成立を後押しした側面もあると言えるかもしれません。

📉予算委員会の開催日数は過去10年で最少に

また、この国会を象徴するもう一つの特徴は、予算委員会の開催日数が少なかったことです。予算委員会は、国政全般に関する重要事項について、首相や全閣僚が出席して議論を行う、国会の「華」とも言える場です。しかし、衆議院では2019年度予算案が可決された3月1日、参議院では予算が可決・成立した3月27日を最後に、実質的な審議を伴う予算委員会は開かれませんでした。

衆参両院を合わせた予算委員会の開催日数は合計32日間で、過去10年間(2010年~2018年)の平均44日間を大きく下回り、この10年で最も少ない日数でした。これも、参院選を控えた与党が、政権批判の格好の場となる予算委員会での審議を避け、国会運営の「安全運転」を図った結果と推察されます。ただし、約1年ぶりとなる党首討論は、閉会間際の2019年6月19日に実施されています。このように、与党は高い法案成立率と全会一致を背景に、選挙前の安定を最優先した国会運営を実践したと言えるでしょう。

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