2020年2月3日、製薬業界の雄である塩野義製薬が、2020年3月期の通期業績予想の下方修正を発表しました。連結純利益は前期比で微増となる1330億円を見込んでいますが、これは従来の予想を20億円下回る数字です。さらに売上高の見通しも、当初の計画から120億円引き下げられ、前期比2%減の3550億円となる見込みです。堅調な成長を続けてきた同社にとって、今回の数字は驚きをもって受け止められています。
主力薬「ゾフルーザ」に何が起きているのか
業績下方修正の主たる要因となっているのが、抗インフルエンザ薬「ゾフルーザ」の販売苦戦です。ゾフルーザは、1回の服用で治療が完了するという革新的な利便性から、発売当初は大きな期待を集めていました。しかし、この薬に対して一部で「効きにくくなる変異ウイルス」が増えているのではないかという懸念の声が上がっています。この影響を重く見た同社は、ゾフルーザの売上高予想を当初の180億円から、一気に100億円もの大幅な下方修正を余儀なくされました。
SNS上では、この発表を受けて「利便性は高いが、耐性リスクへの懸念から処方を控える医師もいるのか」「期待していた新薬だけに影響は大きい」といった声が相次いでいます。薬が効きにくくなる「耐性ウイルス」の問題は、感染症治療において極めて深刻な課題です。利便性と安全性のバランスをどう取るかという難題に、製薬会社は常に直面しています。企業としての成長も大切ですが、医療の現場における信頼を損なわない慎重な姿勢が、今まさに求められているのではないでしょうか。
今後の飛躍へ向けた足踏み
一方で、営業利益については2%増の1415億円を見込んでいます。前期に膨らんだ研究開発費の反動により、利益面では底堅さを維持していると言えるでしょう。2019年4月から12月までの期間で見ても、売上高は前年同期比4%減の2535億円、純利益も4%減の908億円と、厳しい状況が続いています。しかし、次なる画期的な治療薬を生み出すための研究開発には、これからも粘り強く投資を続けていく必要があるはずです。
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