2020年2月3日、香港において非常に緊迫した事態が幕を開けました。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府の対応に納得できないとする医療関係者たちが、ついにストライキへ突入したのです。彼らが強く求めているのは、中国本土との境界を完全に封鎖することです。その根底には、感染者が高度な医療体制を求めて香港へ流入し、医療現場が圧迫されることへの強い不信感が渦巻いています。
この事態を注視するSNS上では、「現場の叫びが聞こえる」「これ以上の混乱は避けられないのか」といった懸念の声が相次いでいます。感染症に対する市民の感度は極めて高く、2003年に299人もの死者を出した「SARS(重症急性呼吸器症候群)」という痛ましい経験が、人々の心の奥底に強く刻まれていることが背景にあります。
政府の対策と市民の厳しい視線
香港政府は2020年1月4日以降、湖北省からの入境禁止措置などを次々と打ち出しました。しかし、市民からの評価は極めて低いのが現状です。法律関係の仕事に従事する23歳の林さんは、「政府の対策には多くの抜け穴がある」と憤りを隠しません。特に、陸路で中国本土と直結している境界管理の甘さに対し、強い不満がぶつけられています。
実際、1日平均で約14万人もの中国人が香港を訪れており、2020年2月2日時点で判明した感染者14人のうち、半分以上が中国人でした。政府は14ある検問所のうち6カ所を閉鎖しましたが、メディアの報道によれば、その利用者は全体のわずか11%に留まっています。この「中途半端な対策」が、市民の不安を煽る結果となっているのではないでしょうか。
医療現場の切迫と高まる反中感情
看護師らを中心に約9000人が参加を表明しているストライキでは、境界の完全封鎖やマスク着用の義務化など「五大要求」が掲げられています。すでに公立病院では「病欠」を申請する医療従事者が続出しており、医療現場の崩壊も危惧される状況です。私は、この背後にある不信感は一朝一夕で生まれたものではないと感じます。
医療ツーリズムにより中国からの来訪者が増え、医師不足などの問題が以前から指摘されてきました。この状況下で新型肺炎が追い打ちをかけ、反中感情が一段と加速しているのです。1月末の調査では、7割を超える市民が全面封鎖を支持しており、政府は厳しい舵取りを迫られています。人々の健康を守るため、今こそ迅速で誠実な対応が求められているはずです。
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