2020年2月4日、日本の空の玄関口である成田空港における貿易統計が発表されました。2019年1月1日から2019年12月31日までの年間データによると、輸出額は前年比8.1%減の10兆5264億円となり、実に7年ぶりに前年実績を下回る結果となりました。航空貨物という機動力の高い物流においてこれほどの減少が起きたことは、国内経済にとっても大きな転換点といえるでしょう。
今回の統計結果が示す最大の要因として、世界的に懸念されてきた米中間の貿易摩擦が挙げられます。いわゆる米中摩擦とは、世界一と二の経済大国が互いに高関税をかけ合うなどして経済対立を深めた状況を指します。この影響で世界的な貿易活動が停滞し、企業のサプライチェーンが揺らいだことが、航空物流にも影を落とした形です。SNS上でも「物流の数字は景気の先行指標だ」といった不安の声が広がっており、実体経済への影響を懸念する声が目立ちます。
輸出入の低迷と主要品目に広がる影響
輸出のみならず、輸入額も同様に厳しい数字となっています。輸入額は前年比5.5%減の12兆9441億円を記録し、3年ぶりのマイナス転落となりました。特に目立つのは、日本の成長を支えてきた半導体関連の低迷です。輸出項目においてIC(集積回路)が前年比24.2%減の3823億円、電気回路等の機器も15.4%減の4146億円と大幅に落ち込んでいます。
世界情勢に敏感な航空貨物の動向は、私たちが普段利用するデジタルデバイスや製造業の未来を映し出す鏡のようです。輸入面においても、半導体等製造装置が前年から半減する2153億円となり、ICも16%減少の1兆866億円となりました。これは製造現場における設備投資が控えられている状況を示唆しており、私としても今後の景気動向には強い危機感を感じざるを得ません。
地域別の動向を見ると、主要な輸出相手国である中国向けが前年比3.2%減の3兆424億円となり、アメリカ向けも前年を下回る1兆8969億円という結果でした。世界経済のエンジンであった両国との貿易が滞ることは、日本経済にとって計り知れない打撃となります。このデータは、特定の市場に依存することの脆さを私たちに突きつけているのではないでしょうか。
コメント