105歳の現役写真家・笹本恒子が教えてくれる、人生を最高に楽しむための「年齢」という概念

「シングルなの。あなたは」。2012年に北海道の夕張市長へ就任した直後、初めて対面した相手からいきなり投げかけられた言葉に、私は思わず驚かされました。相手が既婚者だと分かると、「じゃあ、結婚できないのね。ガールフレンドとして私と付き合って」と、まるで映画のワンシーンのような茶目っ気たっぷりの提案が続いたのです。この方こそが、日本における女性報道写真家のパイオニアである笹本恒子さんです。2020年2月5日の時点で、彼女はなんと105歳。しかし、その若々しい感性や初対面で相手の懐に飛び込む愛らしさは、年齢という数字が単なる記号であることを教えてくれます。

笹本さんの驚異的なエネルギーは、食生活にも表れています。かつて夕張市の「幸福の黄色いハンカチ想い出ひろば」周辺に桜の植樹費用をご寄付いただいた際、現地を訪れた彼女と一緒にお寿司をいただいたのですが、その食欲には圧倒されました。私よりも多くの量を軽々と召し上がる姿には、感銘を覚えるばかりです。メロン農園でも豪快に果実を頬張り、普段は赤ワインと肉料理を愛する。時折、ワインを片手に楽しげな動画を送ってくださるその姿を見ていると、こちらまで自然と笑顔になってしまうのです。

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困難な時代を切り拓いた、レジェンドの生き様

彼女のたくましさは、単なる元気の良さだけではありません。GHQ(連合国軍総司令部)による占領下という、まさに男社会であった報道業界において、笹本さんは前人未到の道を切り拓いてきた強固な意志を持つ方です。その歩みには、時代に屈しない力強さが宿っています。私が市長時代、不祥事の対応で報酬がカットされ、月給が4万円まで落ち込んだ際にも、笹本さんは「そこら中に生えている草は意外に食べられるわよ」と笑い飛ばしてくれました。その言葉に、どれほど心が救われたか分かりません。

世間でも、彼女の生き方には大きな反響が寄せられています。SNS上では「105歳でこのバイタリティは奇跡」「人生の先輩として憧れる」「写真家としての実績だけでなく、人間力が凄すぎる」といった称賛の声が絶えません。逆境をユーモアで乗り越える笹本さんの姿勢は、現代を生きる私たちにとっても、人生の指針となるでしょう。年齢を重ねることを恐れるのではなく、いかに日々を楽しみ、己の道を行くか。彼女は写真というレンズを通して、私たちにそんな人生の真髄を示してくれているように感じます。

来る2020年4月、知事就任後初めて笹本さんが北海道を訪問される予定です。今から再会が待ち遠しくてなりません。札幌で開催される東京オリンピックのマラソンや競歩を、ぜひ彼女と一緒に観戦できればと考えています。105歳という年齢に縛られず、常に新しいことに挑み、今を全力で生き抜く笹本さん。その瞳には、これからも変わることのない好奇心が輝き続けるに違いありません。私も知事として、そんな彼女の背中を見習いながら、北海道をより良い場所にするべく力を尽くしていきたいと心から願っています。

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